研究課題/領域番号 |
19K17310
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
山崎 晋 順天堂大学, 医学部, 助教 (80771774)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アレルギー / エピジェネティクス / 免疫寛容 / ヒストン脱アセチル化酵素 / 新生児 / 小児 / 酪酸 / 制御性T細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「新生児期エピジェネティクスに差が起きる原因を解明」することで、「なぜ、同じアレルギー遺伝子を持つ者の間でも、発症の有無に差があるのか」という問いに新知見を加えるものである。近年、エピジェネティクスとアレルギー疾患発症の関係は注目されているが、「エピジェネティクスに差を起こす原因化合物」に注目し解析した報告はない。申請者は、本研究では、アレルギー疾患の発症機序のさらなる解明、新規治療薬の開発のため、ヒストン脱アセチル化酵素に注目し、アレルギー疾患発症の関係を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は食物アレルギー(FA)児での、血中のHDAC阻害能と酪酸値を測定し、FA児では血清酪酸値やHDAC11活性阻害能が低いため免疫寛容が弱くアレルギー反応起こりやすいという仮説の立証を目論んだ。 食物アレルギー小児と健常成人の血清中のアセト酢酸、β-OHB、総ケトン体と血清中のHDAC阻害能(HDAC1~11)を解析したが、新生児期(臍帯血)で認めたような有意差は認めず、2群間のHDAC阻害能と血清β-OHBに差は認めなかった。一方で、試薬酪酸濃度よりも低い酪酸濃度の検体血清でHDAC阻害能がより高い事象も確認され、HDAC阻害能の規定は酪酸以外の要因も大きい事が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食物アレルギーの発症予防や発症原因の究明は未だ途上である。本研究は先行研究において臍帯血の酪酸値とHDAC11阻害能が成人検体に比べ高値でありそれによる免疫寛容が盛んであるという仮説から着想を得た研究である。本研究は酪酸はHDAC11阻害能を確実に持ち、FOXP3の発現を更新させる可能性は示せたが、一方で食物アレルギー児で酪酸濃度が低い訳ではなく、また血清酪酸濃度のみでHDAC阻害能全てを賄うと説明するには不十分であることが判明した。酪酸の摂取によるFOXP3の発現亢進、さらにはアレルギー発症予防という単純な結果は得られなかったが、アレルギー発症予防の研究の一旦は担ったと考えられる。
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