研究課題/領域番号 |
19K17333
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 島根大学 |
研究代表者 |
高橋 知男 島根大学, 医学部, 特別協力研究員 (10624934)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 低ホスファターゼ症 / 間葉系幹細胞 / 遺伝子発現プロファイル / 骨芽細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
低ホスファターゼ症(Hypophosphatasia, HPP)は、TNSALP遺伝子変異によって骨の石灰化障害をきたす疾患で、重症例は致死的な経過をとる。酵素補充療法により骨の石灰化の回復を認め一定の効果がみられるが、正常な骨構造に達しない。本研究では、HPP患者由来の間葉系幹細胞および骨芽細胞を用いて、網羅的遺伝子発現解析から幹細胞の機能や骨分化に関わる分子メカニズムを明らかにして、幹細胞の維持および骨分化の回復を促進する小分子化合物を探索することが目的である。本研究の成果により同定された小分子化合物は、HPPに対する根治療法へつながるだけでなく、骨粗鬆症に対する治療へも応用も期待される。
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研究成果の概要 |
低ホスファターゼ症(Hypophosphatasia, HPP)患者由来の間葉系幹細胞および骨芽細胞を用いて、網羅的遺伝子発現解析を行なったところ、骨および軟骨分化だけでなく、DNA複製、細胞回転、核酸代謝(特に、RNA代謝)およびリボソーム生合成に関わる遺伝子群が優位に変動していた。また、細胞外マトリックス、胚発生、ケラチン代謝、骨格リモデリング、リラクシンシグナル伝達経路、およびWntシグナル伝達経路などのいくつかの生物学的プロセスへ関与していることも明らかにした。治療薬の標的となる経路はまだ同定できていないが、メタボローム解析結果と合わせて今後、さらに検討していく予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで重症HPPの間葉系幹細胞(MSC)および骨芽細胞(Ost)に関する網羅的遺伝子発現解析は国内外で行われていない。今回、HPPのMSCとOstが骨分化・軟骨分化以外の生物学的プロセスに関与していること、そして、ALPが細胞外で働く酵素として考えられていたが、ALPが多くの細胞内機能に影響を及ぼしていることを明らかにできたことはHPPだけでなくALPが関与する多くの疾患において学術的な意義が高いと思われる。
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