研究課題/領域番号 |
19K17340
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
関 満 自治医科大学, 医学部, 准教授 (20822357)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ファロー四徴症 / 大動脈拡大 / 先天性心疾患動物モデル / Hey2ノックアウトラット / ノックアウトラットモデル / 血管硬度 / 先天性心疾患 / 動物モデル |
研究開始時の研究の概要 |
ファロー四徴症は根治手術後も進行性の上行大動脈拡大に伴う大動脈弁閉鎖不全や大動脈瘤/解離を起こしうる。病因として大動脈壁の中膜嚢胞性壊死による血管弾性低下と血管硬度上昇が考えられる。この組織学的変化は新生児期においても認められるが、発症機序や病態進行の詳細は不明である。Hey2ノックアウトマウスがファロー四徴症となることが報告されており、CRISPR/Cas9を使った遺伝子変異によるモデル作成と同様にHey2ノックアウトラットを作出する。本モデルにおいて胎生期/新生仔期からの大動脈組織学的変性の確認、大動脈血管特性評価を行い、TGF-βシグナル系を含めた大動脈拡大発症機序を解明する。
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研究成果の概要 |
CRISPR/Cas9を使った遺伝子変異によりファロー四徴症動物モデルであるHey2ノックアウトラットの作出を行ない、F0で多数のHey2 del/delラットを得ることができた。得られたHey2 del/delラットの心内奇形の表現型確認を行なったが、新生仔期の心臓の評価はCT検査やスライド切片では正確な構造評価が難しく、組織透明化及び組織三次元染色技術に着目してライトシート顕微鏡システムを立ち上げた。現在、本システムを用いて、三次元で心内構造を可視化できるよう染色方法を検討しており、得られたラットモデルの評価を行なっていく。その上で大動脈組織の組織学的変性の有無を確認する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ファロー四徴症患者における大動脈血管壁の変性は多因子が病態形成に関与している。動物モデルを用いた血管変性のメカニズム解明はこれらの患者の管理や治療に活かすことができる。一方で、先天性心疾患の動物モデルは確立されているとは言えない状況である。本研究ではファロー四徴症のラットモデルを新規に作出している。今度、本研究を応用し、さらにより大きな動物での疾患モデルを作成することができれば、血管機能のみならず、心機能、分子生物学的な検討が行うことができる。先天性心疾患の動物モデルの確立は内科的治療、心臓カテーテル治療、心臓手術への応用が期待され、先天性心疾患患者の予後向上につながると期待される。
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