研究課題/領域番号 |
19K17343
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52050:胎児医学および小児成育学関連
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
中野 聡 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (70826453)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 子宮内発育遅延 / 低出生体重児 / 低栄養 / 非アルコール性脂肪性肝疾患 / 胆汁酸再吸収阻害薬 / 非アルコール性脂肪肝炎 / 血流障害 / 非アルコール性脂肪性肝炎 / IUGR / NAFLD / elobixibat |
研究開始時の研究の概要 |
子宮内発育遅延(IUGR)モデルラットでは、胎児期から肝臓でのCyp7a1発現が抑制されるIUGRは、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)のリスク因子である。世界初の胆汁酸再吸収阻害薬であるelobixibat(A3309)は、回腸での胆汁酸再吸収を阻害する慢性便秘症治療薬である。本薬剤は、胆汁酸再吸収阻害による胆汁酸プール量減少によって、肝臓でのCYP7A1発現を増強し、コレステロール排泄能を改善する効果が期待されている。本研究では子宮動脈結紮によるIUGRモデルラットを用い、elobixibatによるIUGR由来のNAFLD発症抑制効果を検証する。
|
研究成果の概要 |
子宮内発育遅延モデルを作成するために、妊娠18日目のラットに子宮動脈結紮術を試みたが、Control群と比較して有意な体重減少が得られなかった。次に、実験動物をラットからマウスに変更し、妊娠中のタンパク質制限食負荷による子宮内発育遅延モデルの作成に励んだ。当初、タンパク質制限母体のストレスによる出産後の不育・捕食などがあり、出生仔体の評価が進まなかったが、生育環境の調整により仔体の安定した発育を実現させた。子宮内発育遅延モデル母体児は有意差はつかなかったものの、出生体重はControl群と比較して、低体重であり、肝臓でのCyp7a1発現量も減少していた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本邦では、出生数が減少傾向にあるにも関わらず、全出生児に占める低出生体重児の割合は年々増加し、10%前後を占める。LBWIの主要な原因の一つに子宮内発育遅延がある。近年、IUGRによるLBWIが、将来の非アルコール性脂肪性肝疾患、2型糖尿病、慢性腎臓病などの疾患リスクを上げることが判明した。食生活の欧米化と飽食の影響で、非アルコール性脂肪性肝疾患は増加しており、特に小児期・思春期の増加が顕著である。以上の背景から、申請者は、IUGR児のNAFLD発症を未然に防ぐことが重要と考え、本研究の課題とした。
|