免疫組織・分子生物学手法による十二指腸上皮性腫瘍のバイオマーカー探索

• 研究課題/領域番号: 19K17423
• 研究種目: 若手研究
• 配分区分: 基金
• 審査区分: 小区分53010:消化器内科学関連
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 皆月 ちひろ 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (10800740)
• 研究期間 (年度): 2019-04-01 – 2022-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2021年度)
• 配分額: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円); 2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
• キーワード: 十二指腸上皮性腫瘍 / 免疫組織学 / 分子生物学 / 網羅的遺伝子発現解析 / 免疫組織学的染色

研究開始時の研究の概要

2019年度の研究実施計画：内視鏡で切除した十二指腸上皮性腫瘍の組織標本を用い、十二指腸癌のマーカーやその成り立ちにかかわるマーカーの免疫染色を行う。十二指腸上皮性腫瘍の腫瘍部、および周辺背景粘膜より採取した組織検体から全 RNAの抽出を行う。約10症例について、マイクロアレイによる網羅的な遺伝子発現解析を施行する。
2020年度の研究実施計画：遺伝子発現解析の結果をもとに、十二指腸腫瘍で発現異常を来たす遺伝子群を同定する。癌化との関連、あるいはマーカーとして重要と考えられる遺伝子群を同定する。十二指腸上皮性腫瘍の発症・促進に関わるの分子機序の解明を目指す。

研究成果の概要

消化管癌の中で比較的頻度が低いものの、近年増加傾向である十二指腸腫瘍について、日常臨床で腫瘍マーカーとして使用可能なマーカーを探索することと、腫瘍の発症や増大に寄与している遺伝子を発見することを目的として研究を行った。その結果、胃型のマーカーや消化管分化マーカーの発現亢進もしくは低下が腫瘍の悪性度と関連していることを突き止めた。また、遺伝子発現解析という手法を用いて、腫瘍と腫瘍でない部分を比較することで腫瘍部分で働く遺伝子群を同定した。

研究成果の学術的意義や社会的意義

まれであるために十二指腸腫瘍の性質や悪性度の高さなどはよくわかっておらず、指針がないためにそういった病気を持つ方への対応にも難渋することがあったが、消化管腫瘍の中でもどのような傾向を持つ腫瘍であるかがわかれば治療薬の選択にも貢献することができ、また、腫瘍で働く遺伝子群を同定したため、その中から特に重要な遺伝子を絞ることができれば今後の治療方法の発展にも大きく貢献できる。