研究課題/領域番号 |
19K17430
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山田 聡 京都大学, 医学研究科, 医員 (90837692)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 潰瘍性大腸炎 / Epstein-Barr virus / Epetein-Barr virus |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、潰瘍性大腸炎(UC)の大腸炎症粘膜におけるEpstein-Barr virus (以下EBV)再活性化機序の解明を目指すものである。 本研究において、① UCを模した薬剤誘発性腸炎モデルを利用したEBVのマウス感染実験、② 免疫抑制治療中のEBV感染マウスにおける腸炎再燃実験をそれぞれ行い、大腸炎症粘膜におけるEBV再活性化機序の解明を目指す。加えて、③ 炎症発癌におけるEBV再活性化機序の解明を目指す。 本研究はマウスモデルからヒト検体を用いた包括的研究を予定している。本研究を発展させることにより、UC難治例への新たな治療ストラテジーの開発に貢献するものと期待される。
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研究成果の概要 |
潰瘍性大腸炎の難治化において、増悪因子として既に知られているcytomegalovirusと同じヘルペスウイルスであるEpstein-Barr virus (EBV) の再活性化に着目し、検討を行った。活動期UC患者の大腸炎症粘膜において、EBV再活性化が50%に見られ、EBV再活性化率はUC疾患活動性および内視鏡的重症度に相関が見られ、UC増悪因子と考えられた。EBV再活性化の危険因子として抗TNF-α抗体製剤およびカルシニューリン阻害剤治療があり、TNF-αがEBVの溶解感染を抑制的に調整している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
潰瘍性大腸炎(UC)患者数は増加の一途を辿り、20万人を越えている。患者数の増加に伴い、内科的治療に抵抗性を示す難治例も増加している。難治化は複合的な要因によると考えられているが、詳細は明らかになっていない。近年抗TNF-α抗体製剤をはじめ、免疫抑制治療の研究・開発が進み、高い有効性が示されているが、難治例の原因の一つとしてこれら治療に起因するEBV再活性化の関与が示唆された。今後、再活性化の抑制や抗ウイルス治療といった新たな治療戦略に繋がる可能性も示唆された。
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