研究課題/領域番号 |
19K17436
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
芥川 剛至 佐賀大学, 医学部, 助教 (40839057)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | 膵癌 / 脂肪組織 / インターフェロン / IRF9 / STAT / 膵癌細胞株 / STAT pathway / gemcitabine / 細胞増殖能 / アポトーシス |
研究開始時の研究の概要 |
膵癌は、固形臓器に発生する悪性腫瘍のなかでも3年生存率が15%と著しく予後不良である。近年の疫学的研究では膵癌の発生リスクと肥満、内臓脂肪、皮下脂肪の増加との関連が示唆されており、脂肪組織は膵癌細胞の細胞動態に重要な影響を及ぼすと予測される。我々が確立した新規培養法を用いることで、未解明である脂肪組織による膵癌細胞の悪性度に及ぼすパラクライン効果の分子メカニズムを明らかにし、次世代の膵癌治療の研究基盤の確立を目指す。
|
研究成果の概要 |
膵癌と脂肪組織の相互作用の解明についての三次元培養モデルを用いた研究を行った。脂肪組織は、膵癌細胞の活性化、浸潤能の増強に寄与し、アポトーシスを抑制する因子であった。脂肪細胞と共培養した群では、IRF/STAT pathwayに関するタンパクの増加が見られた。ゲムシタビン投与を行うと、脂肪細胞が存在下では、抗癌剤抵抗性が惹起された。また、癌細胞が脂肪組織に及ぼす因子を解析したところ、癌細胞と共培養した群では、培養液中のインターフェロン量の増加が見られた。以上より、膵癌細胞と脂肪組織は、インターフェロンならびにIRF/STATを介した相互作用を有している可能性が示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膵癌は予後不良な悪性腫瘍の一つであり、日本人の癌死の上位に位置する疾患である。膵癌の活性化、浸潤、転移に影響を及ぼす因子を同定し、新規分子標的薬の創成などが早期の望まれる。今回、膵癌細胞と脂肪組織の相互作用について解析し、インターフェロンならびにIRF/STAT経路が相互作用に影響を及ぼす因子と考えらえた。今回同定したタンパクなどをターゲットにした分子標的薬、新規薬剤の創薬につながると考えられる。
|