研究課題/領域番号 |
19K17438
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
若杉 英樹 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (90784314)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | B型肝炎 / 肝細胞がん / 核酸アナログ製剤 / miRNA / 肝細胞癌 / 肝がん |
研究開始時の研究の概要 |
核酸アナログ(NA)などの抗ウイルス薬により、B型慢性肝炎の発がんリスク抑制が可能になりつつあるが、治療後数年を経ても発がんする症例が存在する。応募者はB型慢性肝炎においてmicroRNA (miRNA)の発現が変化していること、そしてNA治療後の発がんにmiRNAが関与する可能性を見いだした。B型肝炎において発現異常を示すmiRNAには、miR-199a、miR-101などがん抑制的に働くmiRNAが多数含まれており、それらが肝発がんに関与すると推測された。本研究では、B型肝炎におけるmiRNA発現変化の分子メカニズムを解明し、発がん予測や予防法の開発につなげることを目指す。
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研究成果の概要 |
B型肝炎に対する核酸アナログ製剤(NA)治療は、肝細胞がん(HCC)の発症リスクを低下させるが、一部の症例はNA治療後にHCCを発症する。慢性B型肝炎のNA治療前後のmiRNA発現を網羅的に解析した結果、B型肝炎ではmiRNA発現プロファイルが大きく変化していること、NA治療はmiRNA発現の正常化を促すが、治療後に発がんした症例ではmiRNA発現異常が持続していることが明らかとなった。これらのmiRNAには、iR-199a-3p、miR-101、miR-152などHCCとの関わりが深いものが多数含まれていた。これらの結果から、miRNA異常がNA治療後の肝発がんに関わることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、核酸アナログ(NA)などの抗ウイルス薬の進歩により、B型慢性肝炎の治療および発がんの抑制が可能となりつつある。しかし治療により肝炎が改善したにも関わらず、発がんする症例が肝硬変例を中心に見られることから、そのメカニズム解明はB型肝炎患者の予後改善に重要な意義がある。本研究は、NA治療後の肝発がんリスクにmiRNA発現異常が関わることを世界で初めて明らかにした。miRNA発現はNA治療後の発がんリスク予測マーカーになりうるとともに、miRNA発現の正常化は発がんを予防するための新たな戦略となりうることが示された。
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