研究課題/領域番号 |
19K17439
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
大須賀 崇裕 札幌医科大学, 医学部, 助教 (40619714)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 胃癌 / HIF-1α / 喫煙 |
研究開始時の研究の概要 |
本邦での胃がんの予後は, 進行例でいまだに不良であり, 新規治療法の開発が急務である. 低酸素誘導因子(HIF)-1αがNF-κBサブユニットであるRELを発現させる遺伝子経路が発がんとがんの進行に重要であることが示唆されている. また, 肺がん細胞でたばこ抽出物への暴露がHIF-1αを発現させることが報告されている. 本研究では, HIF-1α~REL経路の胃がんの発生や進行における役割と, 喫煙者に生じる胃がんの特徴を同経路の活性化の有無を含め解析する. 本研究によりHP除菌後胃がん時代における有効な進行胃がんの治療戦略の開発を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究において、低酸素状態での胃癌細胞の培養に成功し、低酸素状態では正常酸素状態に比べ腫瘍細胞数の減少を認めた。胃癌では低酸素におけるRELの役割については、その阻害のみで腫瘍の低酸素への耐性を阻害することはできなかった。これは、RELを阻害することにより、他の遺伝子経路が活性化し、低酸素への耐性を得ている可能性があり、以前の大腸癌を対象とした研究とは異なっており重要な知見であると考えられた。また、組織学的、臨床的検討から、喫煙者に生じる胃癌の特徴が明らかにした。喫煙とHIF-1αの関係性についてもやや傾向はみられており、今後前向きな組織解析および患者背景統計解析を予定している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヘリコバクターピロリ除菌時代における胃癌の原因として喫煙が注目されている。肺癌においてタバコ抽出物の暴露によるHIF-1αの活性化が示されている。そこで本研究では、喫煙者の胃癌の特徴をHIF-1αを通して検討し、HIF-1αの下流遺伝子で、大腸癌で発癌と関係する可能性があるRELを標的とした胃癌治療が可能か検討した。その結果、RELの阻害剤のみでは腫瘍細胞の低酸素での耐性を解除することができず、大腸癌と異なった遺伝子機構の存在が示唆された。組織学的な検討では、喫煙者ではややHIF-1α活性化が多い傾向であり、これらの知見は今後のHIF-1αを標的とした胃癌治療の開発で役立つと考えられた。
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