研究課題/領域番号 |
19K17446
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
中野 暖 久留米大学, 医学部, 助教 (40723987)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 肝細胞癌 / SGLT2 / SGLT2阻害剤 / 糖尿病薬 / 肝臓癌 / 脂肪酸代謝 / 電子伝達系 / プリン、ピリミジン経路 / ミトコンドリア / 肝癌 |
研究開始時の研究の概要 |
SGLT2の膵癌や前立腺癌での発現に関連する既報はあるが、SGLT2と肝癌の関連については未だ報告されていない。また、SGLT2阻害剤ががん細胞の増殖抑制を起こす報告はあるが、肝癌をSGLT2阻害剤が増殖の抑制を起こす機序は未だ解明されていない。 がん細胞は共通したエネルギー代謝経路を持っている可能性があり、SGLTを解析する本研究は、今後、他のがん領域の研究にも波及効果を有する。
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研究成果の概要 |
肝細胞株におけるSGLT2の発現とミトコンドリア内への局在を明らかとした。SGLT2阻害剤が肝癌細胞株の増殖を抑制すること。その機序として、1)電子伝達系、2)脂肪酸代謝経路、3)DNA合成経路であるピリン、ピリミジン経路、の3経路が主に代謝の変化を起こしていることが明らかとなった。また、SGLT2阻害剤は、肝癌細胞株のケモカインにも影響を与え、肝癌増殖に影響を与えるケモカインを有意に低下させる効果があることを明らかにした。 これらのことから、SGLT2阻害剤は肝癌細胞に対し、代謝変化による増殖抑制効果とケモカインの変化による微小環境の変化による増殖抑制効果を持ち合わせる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝臓癌は日本では死亡数第5位にあたる悪性腫瘍である。肝癌細胞におけるSGLTの発現およびSGLT2阻害による肝癌細胞増殖抑制およびその作用機序を解明したことで、新たな癌増殖抑制機序を発見した。また、SGLT2阻害により肝癌細胞の生存・増殖抑制効果が得られたことで、SGLT2阻害剤がすでに糖尿病薬として治療効果および安全性が確認されている薬剤であることから、直ちに臨床応用が可能な肝癌の新規治療戦略となりうる。
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