研究課題/領域番号 |
19K17452
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
神岡 真理子 (永松 真理子 / 神岡真理子) 東京大学, 医科学研究所, 特別研究員 (00835796)
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研究期間 (年度) |
2019-02-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | パネート細胞 / Paneth cell / 糖鎖 / 粘膜免疫 / 間葉系細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
腸管上皮細胞群の一種で腸管恒常性維持に中核的役割を果たすパネート細胞は、抗菌ペプチドを腸管管腔内に分泌し、宿主防御に寄与する。パネート細胞の機能は、腸内細菌を始めとする様々な外的要因により制御されることが知られている。パネート細胞の直下には支持組織の間葉系細胞が隣接する。本研究においては、間葉系細胞による新たなパネート細胞制御メカニズムを解析することにより、腸炎などの病態形成や組織修復メカニズムを解き明かし、新たな治療法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
小腸上皮細胞の一種であるパネート細胞は、抗菌ペプチドを分泌し宿主防御に寄与する。また間葉系細胞と共に隣接する上皮幹細胞のニッチを形成し、小腸全体の恒常性維持にも寄与する。 腸炎発症時の病態形成は小腸部位ごとに異なることから、本研究においては小腸部位ごとのパネート細胞および間葉系細胞を比較解析を試みた。その結果、十二指腸・回腸それぞれで多く存在するパネート細胞サブセットに特異的な遺伝子を同定し、特に回腸特異的なパネート細胞において発現する糖鎖を特定、その機能を明らかにした。また回腸パネート細胞サブセットの制御に重要な免疫細胞シグナルカスケードを同定し、それらの結果をまとめた論文を発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、これまで単一の細胞集団とされていたパネート細胞に、糖鎖を指標としたサブセットが存在することを明らかにした。またサブセット特異的な糖鎖の機能を示し、さらにパネート細胞サブセットの制御に関与する免疫細胞シグナルを同定した。以上より、免疫・非免疫細胞およびそれらを修飾する糖鎖の粘膜免疫システムとの連関の一端が本研究において示された。本研究で着目した糖鎖は腸管関連疾患と関わることから、同定されたパネート細胞サブセットの腸管恒常性への貢献やその破綻による病態形成が予想される。よってパネート細胞サブセットの更なる解析により、腸管関連疾患の治療法・予防法の確立への貢献が期待される。
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