研究課題/領域番号 |
19K17491
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
斧山 巧 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (60817831)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 食道癌 / 光線力学療法 / ポルフィゾーム / ベルテポルフィン / Photodynamic therapy / Porphysome / 光線力学的療法 / レザフィリン |
研究開始時の研究の概要 |
進行食道扁平癌の化学放射線治療後には局所再発が問題となっており、その局所制御に光線力学療法(PDT)が使用されているが、現行のレザフィリンでは腫瘍への選択性や、光線過敏症を防止するための遮光期間が2週間であるとする問題点がある。そのため、腫瘍選択性に優れたポルフィゾーム、加齢黄斑変性に用いられ、安全性の高いベルテポルフィンによるPDTに対する有効性を基礎的に研究することを目的とした。上記薬物の食道癌細胞株への治療効果や食道扁平上皮癌皮下移植モデル(ヌードマウス)における抗腫瘍効果(腫瘍サイズの変化、腫瘍壊死評価、apoptosisの誘導効果、細胞増殖活性など)を解析する。
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研究成果の概要 |
食道癌細胞株KYSE30(高分化型)、KYSE70(低分化型)、KYSE170(中分化型)において、光感受性物質であるPorphysomeがミトコンドリア内に取り込まれることを確認した。Porphysomeによる660nmの赤色光を用いた光線力学療法(PDT)により、細胞障害性を発揮する一重項酸素が、Porphysomeの局在部において発生し、照射を施行しなかったControl群に対し、PDT群にのみアポトーシスが誘導され、腫瘍細胞数の減少が、Porphysome濃度依存的に認められた(EC50はKYSE30:5.73μM、KYSE70:5.58μM、KYSE170:4.98μM)。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
いずれの食道癌細胞株において光感受性物質であるPorphysomeがミトコンドリア内に取り込まれること、PorphysomeによるPDTにより、腫瘍細胞においてアポトーシスが誘導され、腫瘍細胞数の減少が、Porphysome濃度依存的に認められたことから、Porphysomeを用いたPDTは食道癌に対して有効であると考えられる。今後in vivoでの実験系を行っていく必要性はあるが、新たな食道癌の治療方法として期待できるものと考える。特に、手術や化学療法などの標準的治療が難しい高齢者などの治療に期待される。
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