研究課題/領域番号 |
19K17503
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53010:消化器内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
原田 洋輔 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 特任助教 (50725968)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 炎症性腸疾患 / 乾癬 / 腸内細菌叢 / 糞便移植 / 腸管免疫 / B細胞免疫 / 腸管神経系 / 慢性皮膚炎 / 免疫グロブリン / 神経-免疫相互作用 / 細胞遊走 / 消化器免疫 |
研究開始時の研究の概要 |
皮膚疾患である乾癬と炎症性腸疾患は近年、生活習慣の欧米化とともに急増している疾患である。これらは皮膚疾患、腸管疾患であり、臨床的に合併することが知られているが詳細な合併のメカニズムは不明である。申請者らは、TLR7アゴニストであるイミキモド塗布により誘導される乾癬様皮膚炎マウスを作成し、Dextran Sodium Sulfate投与による化学性大腸炎が悪化すること、その際に、Lactobacillus属の著明な減少を伴う腸内細菌叢の変化が生じることも見出している。本研究では、皮膚炎が腸内環境を変化させるに至るメカニズムの詳細を解明し、腸内細菌によるIBDの治療対策の提案を目指す。
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研究成果の概要 |
皮膚疾患である乾癬と炎症性腸疾患が合併する背景には腸内細菌のdysbiosisの関与が存在するという仮説を考え、動物実験モデルで機序の解明を試みた。IMQ皮膚炎マウスにおいてDysbiosisが引き起こされ、とくにLactobacillusの著明な減少が認められた。さらに同マウスの腸内細菌を単離し、各種Ig抗体の結合を調べたところIgM陽性細菌が減少していた。皮膚炎と腸管の炎症悪化を媒介する因子として血液を介した液性因子の関与を考え、併体結合により血液交換をしたマウスペアの一方のみにIMQ皮膚炎を誘導し、移行したB細胞を調べたところ液性因子の影響による所見は得られなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回申請者らが提唱する腸内細菌の変化を包含した乾癬と腸炎の間にある皮膚-腸相関では、腸内細菌の変化が腸炎の発症に影響しており、臨床応用として乾癬に合併するIBDに対する、腸内細菌をターゲットとした新たな治療法の開発につながる可能性があると考える。また、実際の乾癬患者における腸内細菌叢の変化にはIBD患者の腸内細菌叢の変化と一部の共通点が報告されているが、乾癬患者におけるdysbiosisが実際にcolitogenicなものであるとすれば、ヒトにおいても同様の皮膚-腸相関が存在することを示唆し、ヒトにおける検討及び臨床応用に向けた研究が今後の課題といえる。
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