研究課題
若手研究
脳梗塞の中でも最も多い心原性脳塞栓症は、他の脳血管の動脈硬化に由来する脳梗塞よりも重篤であることが知られており、脳梗塞の発症を予測し、予防することが重要な課題である。心原性脳塞栓症の発症機序は、従来は心房細動のリズム自体による心内血栓形成が原因と考えられてきたが、申請者らは心房細動のリズムそのものよりも心臓MRIで評価した左心房の機能不全が重要であることを報告した。本研究では、近年開発された心臓MRI 4D flow動画解析にて心原性脳塞栓症に特徴的な左心房内血流パターンや左心耳血流の洗い流し率を解析することにより脳梗塞発症予測の精度を向上させること、発症機序に基づいた脳梗塞予防を提唱することを目的とする。
本研究の目的は、近年開発された心臓MRI 4次元流速動画解析(4DFLOW)を用いて、発作性心房細動を有する健常者と心原性脳塞栓症において、左心房・左心耳内血流パターンを比較し、脳梗塞患者に特徴的な左心房内血流パターンを見出し、脳梗塞発症予測の精度を向上させることである。前向き 単施設観察 探索的研究として、発作性心房細動の既往のある心原性脳梗塞患者(A群)10名と脳梗塞非発症の対照群(C群)5名、A群 vs. C群の計15名を目標症例数とし、患者登録を開始した。またオフライン血流解析のシステムの構築および対象患者の臨床データベースの構築を行い、現在A群5例、C群3例の症例登録および解析を行った。
3: やや遅れている
患者登録に関して遅れがあるが、解析を随時行うことで、研究を遂行することを考えている。
各群における各MRIの評価項目の検討のみならず、探索的に4D flowとしてどのような全体像の違いがあるか、描出可能であるかも随時検討を行う。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 1件) 備考 (1件)
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