研究課題/領域番号 |
19K17548
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 遥 東北大学, 医学系研究科, 助教 (90803883)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 肺高血圧症 / 右心機能 / 多細胞心室筋 / 右心不全 / MCU / 心臓MRI |
研究開始時の研究の概要 |
肺高血圧症では、右心機能が予後を規定する。心不全ではミトコンドリア内へのカルシウム流入が低下し、ATP産生の低下を介して心筋特性が変化する。しかし、肺動脈圧の上昇による右心機能の低下において、ミトコンドリア内カルシウムとATP産生がどのように関与するのかは不明である。本研究では、肺動脈病変進展の時間経過が肺高血圧症患者のそれに類似した肺高血圧モデル動物をもちいて、①心臓MRIを用いた形態学的変化、②組織学的変化、③多細胞心室筋を用いた生理学的変化、④心室筋ミトコンドリア内カルシウムとATP産生の変化を経時的に観察することにより、肺動脈圧の上昇によって右心室機能が低下する機序の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
肺高血圧症では、右心機能が予後を規定し得る。本研究では、肺高血圧モデル動物をもちいて、右室の形態学的変化、多細胞心室筋を用いた生理学的変化、心室筋ミトコンドリア内カルシウムとATP産生の変化を観察することにより、肺動脈圧の上昇に対する右室の反応を観察した。 モノクロタリンによる肺高血圧モデルラットは対照ラットと比較し、右室駆出率、右室長軸ストレインが低下し、右室収縮期圧が高く右室肥大が進行していた。 多細胞心室筋においては、肺高血圧モデルラットは発生張力、dF/dtが低下した一方、SERCA・RyRなどの収縮関連タンパク、また、ミトコンドリアカルシウムユニポーターの発現も増加していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺高血圧症は予後不良の疾患であり、右心機能が予後を規定し得る。肺高血圧により右心機能が低下していく機序について、臓器としての心臓や組織としての心筋、タンパク質レベルで観察することは、肺高血圧症に対する治療に結び付く可能性があり、臨床的意義が高い。また、右室心筋におけるミトコンドリアカルシウムユニポーターの役割を観察することは、ミトコンドリアをターゲットとした創薬・治療に結び付く可能性があると考えられる。
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