研究課題/領域番号 |
19K17565
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
丸橋 達也 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 准教授 (10727069)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 時計遺伝子 / DEC1 / 内皮型NO合成酵素 / AMPK / LKB1 / 血管内皮機能 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、細胞実験と動物実験を行う。細胞実験では、DEC1ノックアウトマウスから採取・培養した血管内皮細胞を用いてLKB1/AMPK/eNOSそれぞれのリン酸化/発現を検討する。さらに、DEC1ノックアウトマウス大動脈輪状標本を用いてアセチルコリンに対する弛緩反応を観察して血管内皮機能を評価する。動物実験では、テレメトリー自動血圧測定器を用いて、DEC1が血圧に及ぼす影響についても検討する。
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研究成果の概要 |
抑制的時計遺伝子DEC1が、LKB1/AMPK伝達を介して、内皮型NO合成酵素(eNOS)制御にかかわっているかどうかを検討した。野生型マウスとDEC1ノックアウトマウスから血管内皮細胞を単離し、LKB1とAMPK、eNOSのリン酸化と発現についてウエスタンブロット法にて検討した。DEC1ノックアウトマウス内皮細胞では、野生型マウス内皮細胞と比較して、LKB1とAMPK、eNOSの発現に差は認めなかったが、LKB1とAMPK、eNOSのリン酸化の亢進が認められた。DEC1の発現を抑制することにより、LKB1/AMPKリン酸化亢進を介して、eNOSリン酸化が亢進する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、DEC1抑制がeNOSリン酸化亢進に関与している可能性が示された。eNOSリン酸化にはさまざまなシグナリングが関わっているが、DEC1がeNOSリン酸化制御に関わっていることはこれまで報告されておらず、eNOS制御の新規機序の解明につながる可能性がある。 抑制的時計遺伝子Dec1は、時計遺伝子系からの調整だけではなく、光照射や食事、低酸素による調整も受けており、シフトワーカーや睡眠障害者の血圧上昇・心血管疾患発症リスク成因の一部を説明できる可能性があり、さらに血管機能障害に対する予防法や治療法を分子時計系の視点から提唱できる可能性がある。
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