研究課題
若手研究
心不全ではしばしば循環障害による二次的な臓器機能障害を合併するが、心臓のポンプ機能そのものを改善する心臓移植や補助人工心臓治療により、これらの多くは改善する。 しかし、治療前に臓器機能障害の可逆性を判断する方法は確立されておらず、誤って不可逆的臓器障害と判断され、心臓移植や植込み型補助人工心臓(VAD)治療の非適応と判断される症例が存在する。本研究では、心臓移植・植込み型VAD治療の導入前に臓器機能障害の可逆性を判断する方法を確立する。
心臓の様々な病気により心臓の機能が落ちてしまうと心不全になります。心不全の中でも進行したものは重症心不全と言われ、約半分の方が半年以内に亡くなると言われいました。近年の心臓移植と植込型補助人工心臓治療の発達により、これら重症心不全の生存率は大きく改善しましたが、重症心不全によって起こる腎臓や筋肉など他の臓器機能の低下が問題となっています。本研究では、筋肉量の指標である尿クレアチニン量や血液指標である血小板数が重症心不全の死亡や出血と関連があることを示しました。
心不全患者では、全身への血の流れが悪くなることなどによる、全身の筋肉量の減少が多くの方で起こり、サルコペニアと呼ばれています。サルコペニアの標準的な評価方法はX線による被爆を伴いますが、尿クレアチニン総排泄量は尿検査だけで全身の筋肉量を推定することの出来る簡便な指標です。本研究により、重症心不全患者においても尿クレアチニン総排泄量から筋肉量を推定することが出来き、植込型補助人工心臓の手術後の経過を予測するのに有用であることが示されました。
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Circulation Journal
巻: 84 号: 11 ページ: 1949-1956
10.1253/circj.CJ-20-0238
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