研究課題/領域番号 |
19K17588
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53020:循環器内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
加藤 愛巳 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (60832045)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | PARP1 / DNA損傷 / 心不全 / PARP / mitophagy / NAD / OXPHOS / シングルセル解析 / 心臓 / DNA障害 |
研究開始時の研究の概要 |
心不全において、 PARPによるDNA修復は心機能維持に重要と予想されるが、一 方で、 PARP阻害薬に心保護効果があることは多くの論文報告されいる。つまり、PARPには通常考えられる機構とは別に、細胞に悪影響を及ぼす機構が存在する可能性があると考えられる。そこで、PARPによる転写制御のメカニズムのエピゲノム解析や、心不全圧負荷モデルマウスにPARP阻害薬を投与し、そのマウスの心筋細胞をsingle cell RNA-seqで解析することで、心筋細胞における PARPの機能を DNA 修復、転写制御の両面から明らかにする。
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研究成果の概要 |
マウス圧負荷心不全モデルにおける心臓のシングルセル解析の結果、非心筋細胞に関しては、圧負荷時にPARP1を阻害することで、DNA damage responseを抑制していることが示唆された。心筋細胞に関しては、DNA damage関連遺伝子の明らかな変化は認められなかったが、mitophagy関連遺伝子の発現が亢進していた。PARP1を阻害することで、なんらか の機序を介し、機能不全に陥った、ミトコンドリアをmitophagyで処理できることで、ROSの産生を減少させたり、正常なミトコンドリアに効率よく酸素を供給で きるようになった可能性が考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
高齢化社会が加速するにつれて、心不全患者数は増加の一途を辿っている。心不全は、多因子疾患であり、未だ予後不良の疾患である。本研究では、心不全モデルマウスを用いて、心臓における、さまざまな細胞の一細胞解析をおこなった。今まで、DNA損傷修復タンパクである、PARP1と心不全の関連を調べた研究はないが、本研究結果から、PARP1の機能を抑制することが、心不全を改善させる可能性があることを見出した。PARP1阻害薬が、心筋細胞におけるミトコンドリア品室管理機能を改善させることで、心機能改善に寄与していると考えられた。本研究を継続していくことで新たな心不全治療につなげていく。
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