研究課題/領域番号 |
19K17661
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大場 浩史 東北大学, 医学系研究科, 大学院非常勤講師 (70726710)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | プロレニン受容体 / オートファジー / 肺癌 / 増殖 / 遊走 / Wntシグナル / レニンアンジオテンシン系 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題では、プロレニン受容体(PRR)と肺癌の病態との関連を解明する。PRRは、膜型受容体であるが、酵素的に不活性なプロレニンの活性化、レニンおよびプロレニンの結合によるシグナル伝達の活性化、Wntシグナルの制御、V-ATPaseのサブユニットと多様な機能を有している。これらの機能が、肺癌の増殖、浸潤、転移にどの様に作用しているのかを、肺癌組織や肺癌由来の培養細胞株を用いて明らかにしていく。そして、PRRが肺癌の治療標的となり得るか検討していく。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、肺癌におけるプロレニン受容体(PRR;Prorenin receptor)の発現とその機能を明らかにすることである。PRRの発現を非腫瘍性の肺組織と肺癌組織とで比較すると、両方の組織でPRRの発現が見られ、肺癌組織でその発現量が増加していた。また、肺癌組織の細胞質内に顆粒状の染色像が見られた。肺腺癌組織由来の培養細胞を使用した実験を行い、PRRがオートファジーの制御を介して、腫瘍細胞の増殖や遊走に関与していることが明らかになった。また、肺腺癌細胞において、可溶型PRRの産生が抗腫瘍効果のある薬剤によって促進される可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
プロレニン受容体が肺癌組織で発現が増強されており、オートファジーの制御を介して腫瘍細胞の増殖や遊走に関与している可能性が示唆された。このことから、プロレニン受容体が治療標的の一つとなる可能性が考えられる。また、可溶型プロレニン受容体の産生がカルボプラチンやパクリタキセルといった抗がん剤の作用によって増加していた。化学療法の際に血液中の可溶型プロレニン受容体を測定することで、薬剤治療の効果を判定するマーカーとして応用できる可能性が考えられる。
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