研究課題/領域番号 |
19K17671
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
|
研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
古橋 一樹 浜松医科大学, 医学部附属病院, 助教 (70759935)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 肺樹状細胞 / 免疫寛容原性樹状細胞 / 気管支喘息 / 制御性T細胞 / C型レクチン受容体 / 従来型2型樹状細胞 / CLEC10A / 喘息マウスモデル / アレルゲン免疫療法 / 樹状細胞ワクチン |
研究開始時の研究の概要 |
気管支喘息を根治させる治療法はいまだ確立されていないが、最近、根本的な治療法として、アレルゲンを投与することでアレルギー反応を抑えるアレルゲン免疫療法が注目されつつある。しかし、本療法は、アナフィラキシーショックの危険性や、長期間の治療期間を要すことなどの課題がまだ多い。今回の研究の目的は、肺の樹状細胞の中でも、免疫反応を抑える時に活躍する制御性T細胞を誘導する樹状細胞に着目し、この樹状細胞をアレルゲンで刺激した後に鼻から投与することによって、気道におけるアレルギー反応を抑えて、喘息の根治を目指す。そして、鼻から投与する樹状細胞ワクチンという新しいタイプのアレルゲン免疫療法の開発を試みる。
|
研究成果の概要 |
肺樹状細胞の主なサブセットのcDC1とcDC2において、OVA感作で増加するcDC2の表面抗原の発現の違いにより更なるサブセットに細分類できることがわかり、その中でも C型レクチン受容体のCLEC10A陽性cDC2は、抗原貪食能が高く、最も効率的にTregを誘導するサブセットであると判明した。更にTreg維持に必須のIL-2産生はCLEC10A陽性cDC2のアッセイで高かった。CLEC10A発現で分類したcDC2サブセットのRNA-seq解析では、CLEC10A陽性cDC2はcDC2分化に関連する転写因子,共刺激分子,多くのC型レクチン受容体に関連するRNAの発現が高いことがわかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肺における樹状細胞の中で免疫寛容原性樹状細胞のサブセットを同定することは、アレルゲン免疫療法における免疫寛容メカニズムの解明につながり、さらにはこの樹状細胞サブセットを用いて抗原特異的な免疫寛容を誘導し、喘息等のアレルギー疾患の寛解を目指す研究やワクチン開発につながる。本研究の成果により、C型レクチン受容体であるCLEC10A陽性cDC2は、肺において抗原貪食能が高く、最も効率的にTregを誘導するサブセットであるとが判明し、免疫寛容原性樹状細胞のサブセットの一つと考えられ、今後の喘息に対する免疫寛容誘導を利用した樹状細胞ワクチンを開発するための基盤となる知見を得ることができた。
|