研究課題/領域番号 |
19K17691
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53030:呼吸器内科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
清川 寛文 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 研究員 (40790621)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 組織幹細胞 / 発生学 / 肺がん / 呼吸器内科学 / 肺癌 / 発生 / 細胞増殖 / 細胞分化 |
研究開始時の研究の概要 |
癌細胞が示す高い増殖能・未分化性は、胎児期の未分化細胞の性質と非常に似ているが、実態としての共通性はわかっていない。本研究では胎児期の未分化細胞の増殖・分化制御メカニズムを解明することで、癌に対する新しい治療法を発見することを目的としている。方法としては単一細胞レベルでの分子情報を解析し、胎児期のマウス気管上皮未分化細胞の増殖・分化制御メカニズムを解明する。その後ヒト肺癌でもその機序が関与しているのかを調べ、研究の最終段階として癌細胞株を利用した実証を行う。本研究は胎児期の未分化細胞と癌細胞に共通する分子コンセプトを解明し、癌細胞への新たなる分子標的治療薬の開発につなげることが目的である。
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研究成果の概要 |
肺がんは癌死原因の第一を占め、未だ効果的な治療法のない難治性疾患である。多くの研究者の多大な努力にも関わらずがん細胞の増殖制御メカニズムはこれまで不明であったが、本研究では肺がん細胞の発生母地となる基底細胞の増殖がId遺伝子の多寡により制御されていることを見出した。またId2遺伝子の制御機構を詳細に解明すること成功し、Id2遺伝子の過剰発現が前癌状態である基底細胞の過増殖につながることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究結果は、難治性肺がんの一つである扁平上皮癌はId2遺伝子の過剰発現により出現することを示唆している。そのため気道上皮におけるId2遺伝子の発現を適切に制御することで、気管上皮細胞のがん化を防げることを示唆している。また肺がん細胞ではId2遺伝子が高発現していることを考えれば、Id2をターゲットした治療法が肺がん治療の新規治療として有用と考えられる。
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