研究課題/領域番号 |
19K17696
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
浜谷 博子 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40760658)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | WT1 / アイソフォーム / +KTS/-KTS / 糸球体上皮細胞 / ポドサイト / TGF-β |
研究開始時の研究の概要 |
WT1遺伝子は腎臓の発生や糸球体上皮細胞の機能維持に重要である。我々はFSGSや糖尿病性腎臓病で発現が増加し、糸球体上皮細胞障害に関与するTGF-βが糸球体上皮細胞のWT1の発現を抑制することを報告したが、その機序は明らかではない。本研究は培養糸球体上皮細胞にTGF-βの投与を行うことにより、1)エピジェネティクスによる遺伝子発現の制御、2)WT1のアイソフォームの比率の変化、3)WT1の発現を制御することが知られている因子の発現変化を解析する。TGF-βによりWT1の発現が低下する機序を解明し、WT1の発現を維持する方法を見つけることにより糸球体腎炎の治療法の開発に貢献できる可能性がある。
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研究成果の概要 |
WT1遺伝子は糸球体上皮細胞の機能維持に重要な転写因子である。糸球体上皮細胞障害に関与するTGF-βがWT1+KTS/-KTSのアイソフォームの比率を変化させるか①リアルタイムPCR、②NGSによるRNA-Seq、③DNAシークエンサーによるフラグメント解析により検討したが有意な変化を認めなかった。なお、TGF-βを5日間投与後に2日間TGF-βなしで培養すると細胞形態は回復するが、その際に+KTSを含むアイソフォームが重要な可能性がRNA-Seqの結果から示唆された。また、WT1の発現を制御する遺伝子のTGF-βによる発現変化や、WT1の発現を変化させうる因子を探索した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我々は糖尿病性腎症やFSGSに関与するTGF-βにより糸球体上皮細胞のWT1の発現が低下することを報告したがその機序は明らかではない。TGF-βによる糸球体上皮細胞障害の機序にWT1+KTS、WT1-KTSのアイソフォームの比率が関与しているか検討したが有意な変化を認めなかった。なお、TGF-β投与後の細胞形態の回復に+KTSアイソフォームが重要な可能性がRNA-Seqの結果から示唆された。また、WT1の発現を制御する遺伝子のTGF-βによる発現変化や、WT1の発現を変化させうる因子の探索をすすめた。今後これらの発現を制御することによりWT1の発現を維持させ治療につながる可能性がある。
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