研究課題/領域番号 |
19K17698
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 信彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (80572552)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 近位尿細管 / 糖新生 / 副甲状腺ホルモン / インスリン / PKC / Foxo1 / 腎糖新生 / グルカゴン / インスリン抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
PT糖新生の全身の糖産生への寄与は10%程度とされるが, 糖尿病患者で肝糖新生を上回るPT糖新生の亢進が見られるなど, 実際には全身の糖代謝異常に強く影響している可能性がある. しかしながら, 肝糖新生と比較してPT糖新生の特異性については不明な点が多い. そこで本研究では、副甲状腺ホルモンとグルカゴンに着目し、単離PTを用いた生理機能解析によりPT糖新生調節機構を明らかにし, 糖尿病や慢性腎不全に合併する高血糖やインスリン抵抗性の病態におけるPT糖新生亢進の意義を検討する.
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研究成果の概要 |
ラットとヒトの腎近位尿細管を用いてPTHによる腎糖新生調節機構の検討を行った。 PTHは近位尿細管の糖新生酵素の発現を有意に増加させ、その増加は糖新生抑制ホルモンであるインスリンの影響を受けなかった。プロテインキナーゼ阻害薬とs-RNAによる特異的遺伝子抑制法と蛋白定量の結果から、PTHはPKCを介してインスリン/Akt/FoxO1経路を阻害して近位尿細管におけるインスリン抵抗性を惹起することが示唆された。本研究の結果は、原発性副甲状腺機能亢進症、偽性副甲状腺機能低下症およびCKDに伴う糖代謝異常やインスリン抵抗性の病態解明の一端となる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、動物やヒトにおけるPT糖新生を肝糖新生との比較を通じて多面的に解析することで、PT糖新生の調節機構を明らかにし、2型糖尿病やCKDに合併する高血糖やインスリン抵抗性の病態形成におけるPT糖新生の意義を検討するものである。本研究結果から、PTHはPKCを介して近位尿細管糖新生を亢進させ、インスリン/Akt/FoxO1経路を阻害して近位尿細管におけるインスリン抵抗性を惹起する可能性が示唆された。また、この制御機構は肝臓にはない、PT特異的なものであり、原発性副甲状腺機能亢進症、偽性副甲状腺機能低下症およびCKDに伴う糖代謝異常やインスリン抵抗性の病態解明の一端となる可能性が示唆された。
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