研究課題/領域番号 |
19K17700
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
蒲澤 秀門 新潟大学, 医歯学総合研究科, 特任助教 (20794639)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
|
キーワード | 抗刷子縁抗体病 / 慢性腎臓病 / メガリン / 自己抗体 |
研究開始時の研究の概要 |
慢性腎臓病(CKD)の経過中に急速に末期腎不全に至る(rapid progression)一群が存在することが報告されているが、有効な診断・治療方法がなく対策が急務である。最近、近位尿細管腔側膜に発現する機能分子メガリンに対する自己抗体を有し、急性腎障害(AKI)を発症する新たな自己免疫性腎疾患が報告された。今回、血中に抗メガリン自己抗体が出現した場合、CKD患者では自己抗体が近位尿細管に到達し、メガリンと反応してrapid progressionを引き起こす可能性を、CKD患者を対象とした前向きコホートを樹立し検証する。
|
研究成果の概要 |
主にメガリンを自己抗原とする抗刷子縁抗体病は近年新たに報告された自己免疫性腎疾患で、比較的急速に腎機能が低下し末期腎不全に至る可能性が示唆されているが、有病率や病態については不明な点が多い。今回、抗刷子縁抗体病についての実態調査(診断)を行うための方法として、患者血清を用いた全長型メガリンに対するウエスタンブロットで半定量的に抗メガリン抗体を同定する測定系を確立し、臨床的に抗刷子縁抗体病が疑われる患者について自己抗体の有無を検討した。また、抗メガリン自己抗体の定量化を行うELISA構築の準備として、新たにヒトメガリン発現ベクターをHEK293細胞へ導入し、ヒトメガリン安定発現細胞株を樹立した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗刷子縁抗体病は世界で20例程度の報告であり、本邦からの報告はなく、現時点では稀な疾患と考えられている。稀であると考えられる一因として、実態把握の調査が行われていないこととともに、診断を確定する簡便な方法が確立されていないことも上げられる。本研究で行われた診断方法の確立に向けての検討によって、今後潜在的な患者の存在が明らかとなる可能性や病因解明の一助にもなる可能性があり学術的意義が大きい。さらに、治療法が確立されれば、将来的な腎代替療法患者を減らす可能性があるとも考えられ、社会的な意義も大きい研究である。
|