研究課題/領域番号 |
19K17717
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
藤井 健太郎 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (70626390)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 腎虚血 / 糖尿病性腎臓病 / 代謝変容 / アデニル酸代謝 / アミノ酸代謝 / 腎代謝変容 / ロイシン / 急性腎障害 / キサンチンオキシダーゼ阻害薬 / 虚血性腎症 / エネルギー代謝異常 / マスイメージング / キサンチオンキシダーゼ阻害薬 / エネルギー代謝障害 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では, ストレプトゾトシン(STZ)投与による糖尿病モデルマウスと, 腎動脈に金属製コイルを巻き付けたSTZ投与マウスに対して腎臓マスイメージングとメタボローム解析を行い, 慢性虚血を伴うことでDKDを模倣したマウスの腎臓におけるアデニル酸代謝変容について空間的な解析を行う. さらに, Febuxostat投与に伴う腎臓のアデニル酸代謝変容の改善やpyruvate dehydrogenaseの制御による腎保護効果について検証する.また近位尿細管培養細胞を用いた解析を行い, トランスクリプトーム解析にて, 代謝変容の真の原因となる代謝酵素を明らかにし, 新規腎保護戦略の開発と提言を目指す.
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研究成果の概要 |
メタボロームおよびマトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析イメージングを組み合わせた手法により、腎臓の代謝産物を半定量的に可視化し、腎臓の部位に異なる代謝変容を明らかにした。またFebuxostatがsalvage pathwayを介したアデニル酸の産生促進によりATP再合成を増加させ尿細管細胞保護効果を発揮することを見出した。STZ投与糖尿病モデルマウスのメタボローム解析にてBCAA(イソロイシン、ロイシン、バリン)が増加し、特に糸球体で有意なBCAA蓄積を認めることを明らかにした。ロイシン投与STZマウスにおける腎不全の進行と、腎組織ヒストンH3, H4のアセチル化亢進を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腎慢性虚血に伴うアデニル酸喪失の回復のためATP投与やミトコンドリア賦活化などの基礎検討が行われてきたが、実臨床の応用には至っていない。本研究では、尿酸降下薬としてすでに上市されているFebuxostatが、腎アデニル酸を回復させ腎保護効果を示すことが示された。本研究により、腎臓における慢性虚血によるアデニル酸代謝変容の病態メカニズムと, 糖尿病性腎臓病の病態プロセスにおける新たな代謝変容が示され、アデニル酸代謝やアミノ酸代謝の変容への治療介入による、新規腎保護戦略が提案された。
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