研究課題/領域番号 |
19K17730
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53040:腎臓内科学関連
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
川西 邦夫 筑波大学, 医学医療系, 助教 (00578750)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | 後天性嚢胞腎 / 後天性嚢胞腎随伴腎細胞癌 / シアル酸 / Kdn / バイオマーカー / 後天性嚢胞腎随伴性腎細胞癌 / 血液透析 / 透析腎癌 / 糖鎖解析 / ACD-RCC / ACKD / レクチンアレイ / RNAseq / 低真空走査型電子顕微鏡 / 後天性嚢胞腎 (ACKD) / 腎細胞癌 |
研究開始時の研究の概要 |
透析患者では腎細胞癌の罹患率が非透析例の約15倍に上昇する。また、透析年数が進むにつれて、非遺伝性嚢胞疾患である後天性嚢胞腎を母地とする特殊な腎癌の頻度が増加する。透析腎癌は嚢胞に合併しやすく、今日の発達した画像検査技術を適応しても術前診断が困難な症例が多い。後天性嚢胞腎や透析腎癌の発症メカニズムの解明と、診断を補助する画期的な技術の開発(腫瘍マーカー)が必要である。本研究では、透析腎癌の癌組織、非癌部組織の遺伝子変動、糖鎖修飾を網羅的に解析し、特異的な糖鎖構造と、そのキャリアタンパクを同定する。腎不全モデルマウスの解析と合わせて、透析腎癌の発生メカニズムの解明と新規腫瘍マーカー開発を目指す。
|
研究成果の概要 |
腎不全状態の腎臓には非遺伝性の嚢胞疾患である後天性嚢胞腎(ACKD)が生じる。透析患者では腎細胞癌の発生頻度が非透析患者の5ー15倍に増加するが、透析年数に応じて後天性嚢胞腎随伴腎細胞癌(ACD-RCC)の頻度が増加することが知られる。透析患者血清中にシアル酸分子種であるデアミノノイラミン酸(Kdn)が蓄積し、ヒト血清中に抗Kdn抗体が存在することに着目し、ACKDとACD-RCCの進展にはKdnが関与していると仮定した。患者組織、細胞培養においてKdn型糖ペプチドを探索可能な手法を確立した。ACD-RCC組織中にKdn型糖ペプチドは発見できなかったが、マーカー候補となる分子を複数発見した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
透析患者のKdn蓄積とヒト血清中に抗Kdn抗体が存在するという発見から、ACKDのACD-RCCへの進展メカニズム解明を目指し、Kdn探索を行った。研究を通して、ACD-RCC組織からKdn型ペプチドを発見することはできなかったが、ヒト細胞株上でKdn型ペプチドを検出する手法を確立できた意義は大きい。また、研究期間中に米国での事前検討を深化させ、脊椎動物が保存するマンノース代謝経路とKdn産生の意義は過剰なマンノースの緩衝機構にあるとする学説を論文化できた。また研究の過程で透析腎癌マーカーとして有力な分子を複数発見し特許出願した社会的意義は大きく、検証のための多施設共同研究を開始できている。
|