研究課題
若手研究
急性腎障害が慢性腎臓病に移行する過程のメカニズム解明は、不可逆的に進行し、腎臓病予後と直接関係する腎臓間質線維化の制御に繋がる。申請者はこの領域を世界的にリードするHarvard大学、Brigham and Women's病院のBonventre Labに留学し、この領域の研究を開始した。虚血、感染症、薬剤などによる種々の刺激によって障害を受けた結果、不全修復に陥った近位尿細管上皮細胞の細胞周期G2/M でのアレストと細胞レベルでの老化の関係、さらには細胞老化が不可逆的臓器機能低下に繋がる組織の線維化を進めるに至る分子機構を詳細に明らかにして腎臓病治療法開発を目指す。
腎の大部分を占める近位尿細管は種々の内因性および外因性の要因により障害を受ける。そして腎予後を規定する間質の線維化において中心的な役割を果たす。申請者は、種々の内因性ストレスによって生じる近位尿細管DNA損傷とその修復機構に注目し、DNA損傷とつながりの深い細胞老化との関係を主として遺伝子改変動物を用いた研究により解析した。尿細管間質の線維化がひどいマウスにおいてはDNA損傷が増大しており、腎老化が促進されていた。尿細管には、細胞内オルガネラ複合体であるTASCCが形成されていた。
老化細胞を除去することで臓器機能を改善したり、生命延長ができることも近年明らかになってきた。したがって、腎の細胞老化を制御して腎不全治療ができる可能性を高める研究成果を提供できることになる。
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 5件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 3件、 招待講演 5件) 備考 (1件)
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