研究課題/領域番号 |
19K17773
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
森脇 昌哉 広島大学, 医系科学研究科(医), 専門研究員 (10839286)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | アトピー性皮膚炎 / 皮膚真菌叢 / Malassezia globosa / MGL_1304 / 濾胞性ヘルパーT細胞 / Tfh / 獲得免疫 / 抗原特異的IgE / MGL_1304特異的IgE / 皮膚細菌叢 / 汗アレルギー / 樹状細胞 / ランゲルハンス細胞 / 自然免疫 / アトピ性皮膚炎 / malassezia globosa / 特異的IgE |
研究開始時の研究の概要 |
アトピー性皮膚炎(AD)は汗が増悪因子として知られ、真菌であるMalassezia Globosaの分泌蛋白(MGL_1304)が汗アレルギーの一因である。健常人と比較し、AD患者はMalassezia属に対するIgE抗体を持つ割合が高いことが知られているが、その機序は不明である。 今回、皮膚真菌叢および皮膚に侵入する病原体を察知し、T細胞への抗原提示等を介してIgE産生を含んだ獲得免疫に関与する皮膚ランゲルハンス細胞と樹状細胞に注目し、Mallasezia属に対する皮膚免疫を解析する。またAD患者が高率に特異的IgE抗体を持つ機序と、アレルギーの発症機序を解明することを目的とする。
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研究成果の概要 |
汗に含有されるMGL_1304は汗アレルギーの原因物質で、MGL_1304に対する過敏性、特異的IgE抗体が特定されたが、その獲得機序は明らかとなっていない。近年IgE産生について関与が指摘されている濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh)に着目し、Tfhを介した抗原特異的特異的IgE抗体の産生機序について検討を行った。 末梢血から分離した単球由来皮膚ランゲルハンス細胞をMGL_1304で活性化し、同一ドナー由来のCD4+T細胞と7日間共培養し、Tfhの分化を誘導した。TfhとB細胞の共培養を試みているが、Tfhの回収率などの問題により、抗原特異的IgE抗体の産生まで至っていない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アトピー性皮膚炎(AD)では、皮膚真菌叢に対するランゲルハンス細胞の反応性がADの発症、増悪に関わっている可能性が示唆される。また、以前よりIL-21が濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh)の分化・維持に関与していること、ADにおいてIL-21が有意に高値であること指摘されている。現在ADに対して真菌叢の観点から研究しているところは少なく、本研究では真菌叢が関連する獲得免疫の観点からADの病態解明を試みることで、新たな知見を発信できる可能性があり、ADの発症機構の解明のみならず、その他の炎症性皮膚疾患、アレルギー疾患の発症機構の理解にも普遍的なインパクトを与え得る極めて重要な研究であると考えている。
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