研究課題/領域番号 |
19K17775
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
鍬塚 さやか 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (20739924)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 皮膚感覚過敏 / 痒み / 神経栄養因子 / 痒疹 |
研究開始時の研究の概要 |
痒み過敏のメカニズムは体液因子や神経の可塑性等によって部分的に証明されているが、まだ十分な理解が得られておらず、痛み過敏ほど解明されていない。皮膚の真皮線維芽細胞から誘導される神経栄養因子アーテミンが熱過敏を引き起こし、アトピー性皮膚炎などかゆみを生じる皮膚疾患においてかゆみ過敏を生じていることが明らかとなった。本研究では、アーテミン中和抗体や治療薬投与により皮膚感覚野をはじめとした脳への影響を様々な角度から検証する。本研究によってかゆみ過敏のメカニズムの一端を明らかにし、難治性かゆみ疾患への新たなアプローチと治療薬開発に貢献することができると考える。
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研究成果の概要 |
一般的に皮膚疾患においてぬくもると痒みが増強することは知られている。皮膚真皮線維芽細胞から誘導される神経栄養因子アーテミンが熱過敏を引き起こし、かゆみを生じる皮膚疾患においてかゆみ過敏を生じていることが以前報告されている。本研究では、アーテミンを注射されたマウスを熱刺激させ脳をMRI撮像すると扁桃体と視床下部が増強されており、またアーテミン中和抗体を注射されたマウスではこの脳の活性が減弱することを確認した。ヒト皮膚組織におけるアーテミンの免疫染色では痒疹、アトピー性皮膚炎で発現が認められ、ヒト血清中のアーテミンも痒疹、アトピー性皮膚炎で上昇していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はアーテミン中和抗体や治療薬投与マウスにより皮膚感覚野をはじめとした脳への影響を検証し、またヒト検体を用いてアーテミンの皮膚疾患における関与を探索した。かゆみ過敏のメカニズムは未だ完全には明らかとなってはいないが、本研究が「皮膚-脳相関」の観点から、痒みの新しい評価と痒みに特化した治療開発に貢献できるものと期待する。
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