研究課題/領域番号 |
19K17815
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分53050:皮膚科学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
小原 宏哉 北里大学, 医学部, 助教 (40596483)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 毛包幹細胞 / 脊髄損傷 / 再生医療 / 慢性期 / ネスチン / 多分化能 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は皮膚毛包周囲に認められる毛包幹細胞を発見し神経細胞・グリア細胞・心筋細胞・角化細胞等に分化することを明らかにした。毛包幹細胞を用いた再生医療は、倫理面や拒絶反応の問題がなく、早期の臨床応用が期待される。本研究では特に脊髄損傷部に毛包幹細胞移植を行った後生着の程度を確認し、生着した幹細胞の構造・機能を評価する。また移植実験はマウスより開始し、その後ラットや将来的にはコモンマーモセットへと種の拡大を図っていく。最終的に我々は、ヒトの損傷神経に対する毛包幹細胞移植を成功させることで神経再生医療の実現を目標にする。
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研究成果の概要 |
脊髄損傷の慢性期における治療法は確立しておらず,様々な幹細胞による再生医療が検討されてきているが,いまだ有効なものは明確にできていないのが現状である。我々は毛包幹細胞が特に神経細胞やグリア細胞に分化しやすいことを利用して,脊髄損傷慢性期のモデルマウスに毛包幹細胞を移植することで,有効性を証明できるか実験を通じて考察した。結果損傷脊髄内で,移植した毛包幹細胞は増殖し,ニューロンとグリア細胞に分化することを確認した。さらに運動機能評価においても毛包幹細胞移植によりスコアが改善することを示すことができた。以上から慢性期脊髄損傷の治療法として毛包幹細胞が有用である可能性を見出すことができたと考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
脊髄損傷は非可逆的疾患であり,治療として有効な薬物療法が認められないことも含め,現在幹細胞を用いた再生医療は国内外で多数検討されている。しかしES細胞やiPS細胞は多分化能、再生能は優れているものの、倫理面や腫瘍化の問題のため生体内移植の実用化は難しいのが現状である。また生体組織幹細胞移植は多くは患者個人からの採取リスクが高く、また、他者の提供者由来の幹細胞移植は、移植後の拒絶反応という大きな問題をかかえている。我々が提唱する毛包幹細胞による再生医療は倫理面や拒絶反応の問題がなく、他部位の成体組織幹細胞と比較して、患者への採取リスクが低いことから、早期の臨床応用が期待される。
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