研究課題/領域番号 |
19K17835
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
崎浜 秀悟 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30835129)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 成人T細胞白血病/リンパ腫 / ヒトT細胞白血病ウイルスI型 / HTLV-1 tax遺伝子型 / 遺伝子異常 / 成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL) / ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1) / tax遺伝子型 / PRDM1両アレル異常 / ヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1) |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ヒトのDNA配列を網羅的に解析する技術の進歩により、ATL患者における遺伝子異常の全貌が明らかにされつつある。また、地域によりATLの遺伝子異常プロファイルに差違があることが報告されているが、その詳細な背景は明らかではない。申請者らは以前、ATL発症の原因ウイルスであるHTLV-1のウイルスタイプが沖縄県と日本本土で異なることを明らかにしている。そこで、本研究は沖縄県におけるATLの遺伝子異常を網羅的に解析し、地域性とウイルスタイプに着目した分析を行う。本研究から得られる成果は、複雑なATL病態の多様性を解明する上で重要な知見を与えるものと期待される。
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研究成果の概要 |
成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)はヒトT細胞白血病ウイルスI型(HTLV-1)が原因となって発症する悪性腫瘍である。ATL患者89例の遺伝子異常を解析した結果、一部の変異した遺伝子は沖縄県の症例に多く検出されるとともに、沖縄県に多いウイルスタイプのHTLV-1に感染した症例に偏っていた。さらに、遺伝子異常と患者の生存との関連についても解析を行なった。過去の報告と一致して、PRKCB遺伝子の変異が患者の死亡と関連していた。加えて、PRDM1遺伝子の両方のアレルが傷つくことと患者の死亡が関連する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、ATLの遺伝子異常とHTLV-1のウイルスタイプとの関連が初めて示唆された。ATLの遺伝子異常と患者の生存との関連を解析した結果、PRKCB遺伝子の変異が予後に及ぼす影響の再現性が確認されるとともに、PRDM1遺伝子の両アレル異常が予後不良に関与する可能性が示唆された。生存に影響を与える異常の同定および再現性の確認は、疾患の発症機序解明および治療薬開発に重要と考えられる。
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