研究課題/領域番号 |
19K17838
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
酒井 和哉 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (60790384)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | アプタマー創薬 / von Willebrand factor / 血小板凝集阻害 / von Willebrand因子 / DNAアプタマー / 創薬 / アプタマー / 動脈血栓症 / 血栓止血学 / DNA アプタマー / 抗血栓療法 |
研究開始時の研究の概要 |
von Willebrand 因子(VWF)のA1ドメインは血小板のGP1bドメインと結合することで血小板血栓を形成し、適切な止血作用を発揮する。しかし、本邦の死因の上位を占める心筋梗塞や脳梗塞などでは血中のVWF濃度が大きく上昇しており、VWF A1阻害薬は治療薬として有望視されている。本研究では、国内バイオベンチャー(タグシクス・バイオ社)が開発した核酸アプタマーのVWF A1への結合部位の同定および血小板血栓形成に対する阻害活性の詳細な評価を行う。開発中の他のVWF A1阻害薬と比較を行うことで、結合様式の相違が薬理学的効果に与える影響を検討する。
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研究成果の概要 |
VWF A1ドメインを標的とするDNAアプタマー製剤(TAGX-0004)について、静止条件および流体条件における血栓形成阻害効果を既存の抗体薬(カプラシズマブ)・アプタマー製剤(ARC1779)と比較した。TAGX-0004はいずれの条件下においてもARC1779よりも高く、カプラシズマブと同等の抗血栓形成作用を発揮した。また、それぞれのVWF A1ドメインへの結合部位を検討したところ、共通の結合部位としてR1395およびR1399が推定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
致死的な動脈血栓を引き起こす血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)において、最近抗体薬であるカプラシズマブが新規治療薬剤として米国・EUで承認された。この新薬はTTPにおける急性期の血栓死亡率を大幅に改善させることができる反面、抗体薬であることから非常に効果であり、ロット間の有効性のバラツキなどの欠点が存在する。今回検討したか新規VWF A1ドメインアプタマーはカプラシズマブと同等の抗血栓効果を発揮するとともに、化学合成が容易であり、品質の均一性が担保できる、アレルギーなどの免疫学的反応を回避できるなどのメリットを有している。臨床応用されれば、TTP患者の治療が低コストで安全になりうる。
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