研究課題/領域番号 |
19K17839
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
細井 裕樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (00646036)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | PVT1 / 8q24転座 / long non-coding RNA / microRNA / micro RNA / 悪性リンパ腫 / double hit lymphoma |
研究開始時の研究の概要 |
悪性リンパ腫患者数は高齢化とともに増加傾向で、副作用の少ない分子標的治療薬の開発につながる悪性リンパ腫発症機序解明は重要である。8q24転座を有する悪性リンパ腫の中には極めて予後不良な疾患群があり、その中には8q24転座点がガン遺伝子MYCの下流にあるPVT1内に存在する症例がある。PVT1は長鎖非コードRNAであり、腫瘍化におけるPVT1の役割は不明である。本研究では悪性リンパ腫発症におけるPVT1領域の役割を明らかにし、新規治療へつなげることを目的とする。
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研究成果の概要 |
悪性リンパ腫発症における8番染色体長腕24バンド(8q24)のMYC下流にあるlong non-coding RNA (lncRNA)であるPVT1の役割を検討した。PVT1内に転座点を有する細胞株ではMYC周辺に転座点を有する細胞株よりMYC発現は高かった。転座点の位置とmiR発現量の間に一定の関係性は見られなかった。MYC発現を阻害するJQ1を作用させると、8q24転座を有する細胞株では細胞増殖が抑制された。その際、MYC発現のみでなくPVT1 5’の発現も低下した。PVT1 5’発現阻害とmiR1204阻害では現在のところ細胞増殖抑制効果は見られていない。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
8q24転座を有する悪性リンパ腫の中には予後が悪い一群があり、悪性リンパ腫に対する新たな治療法の開発が望まれる。8q24にはガン遺伝子であるMYCが存在するが、MYCは正常細胞でも重要な機能を有しているためMYCを標的とした薬剤は開発が難しい可能性がある。近年、lncRNAをターゲットとした核酸医薬開発への注目が高まっており、PVT1は治療標的になり得ると考えている。本研究は悪性リンパ腫発症におけるPVT1の役割を考える上で基礎的な知見を与える。
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