研究課題/領域番号 |
19K17861
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54010:血液および腫瘍内科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
井上 明威 熊本大学, 病院, 医員 (50790268)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 成人T細胞白血病リンパ腫 / 同種造血細胞移植 / 予後予測モデル / 微小残存病変 / 同種移植 |
研究開始時の研究の概要 |
成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)は予後不良の疾患であり、同種造血細胞移植(移植)により治癒が期待できるが、①適切な移植適応症例の選択、②最適な移植時期の決定、③移植後再発の抑制といった点が問題となる。 そこで本研究では①、②の問題点を明らかにするため、ATL症例における腫瘍抗原であるTax発現能および細胞遺伝子変異の解析を行い、それらの結果を臨床データと組み合わせ新しい予後予測モデルを構築する。 またこれまで我々は移植前後の微小残存病変(MRD)の評価を行っているが、本研究ではマスサイトメトリーと次世代シークエンサーを使用したMRD評価を行い、②、③の問題点に対する解決に繋げていく。
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研究成果の概要 |
本研究において成人T細胞白血病リンパ腫患者の臨床情報と検体を収集し、ウイルス由来抗原であるTaxの発現能に基づく新たな予後予測モデルを構築した。Taxが発現できる症例と比較し、Taxを発現できない症例では診断からの全生存率が不良であり、また抗CCR4抗体薬に対する治療反応性も劣ることが分かった。 また私たちはフローサイトメトリーとマスサイトメトリーを使用した移植前後の微小残存病変(MRD)の評価を行い、陽性的中率 80.0%、陰性的中率 85.7%という結果であった。このMRD評価法を基に、早期に再発を予測し治療介入を行うことが可であることも示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
成人T細胞白血病リンパ腫はHTLV-1感染に起因する、極めて予後不要な末梢性T細胞リンパ腫である。種々の治療開発が行われてきたが、現時点で治癒が期待できる治療法が同種造血細胞移植のみであり、いかに適切な症例に、最適な移植法を提供するかが重要である。 本研究で構築したTaxの発現能に基づく新たな予後予測モデルは、適切な移植症例の選択に有用であり、また本研究で検討したフローサイトメトリー・マスサイトメトリーを使用した同種移植前後の微小残存病変の評価法は、移植後再発抑制に繋がると考えられる。
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