研究課題
若手研究
本研究では、喘息モデルマウスならびに臨床検体より得られた気道上皮基底幹細胞を用いて、以下の3点を解析検討する。1)気道上皮基底幹細胞の分化、サイトカイン産生と気道上皮組織の形成における性および性ホルモンの影響を解析する。2)気道上皮基底幹細胞と免疫細胞の相互作用における性および性ホルモンの影響を解析する。3)気道上皮基底幹細胞を制御し、性依存的喘息増悪病態の抑制の可能性について検討する。
女性における喘息重症化機序を解明するために、気道上皮組織由来サイトカインの中心的な産生細胞の一つであり、気道上皮細胞系譜の幹である気道上皮基底幹細胞の性依存的な役割に着目して研究を行った。ダニ抗原誘発型喘息において、気道上皮組織から産生されるIL-33はメスマウスにおける喘息反応悪化に中心的な役割を担っていた。気道上皮基底幹細胞から産生されるIL-33mRNAはオスマウスよりメスマウスにおいて高かったが、他の気道上皮細胞画分ではそのような性差は認められなかった。女性における気道上皮基底幹細胞の活性化はIL-33産生量の増加を介して女性における喘息の悪化に関与している可能性が示唆された。
気道上皮組織は、アレルゲンの体内への侵入を防ぐバリア組織としての役割だけなく、喘息免疫応答である2型免疫応答を惹起する免疫細胞としての役割を合わせもつ。本研究の結果から、気道上皮基底幹細胞におけるIL-33の産生増加を抑制することにより女性における喘息免疫応答を抑制できる可能性が示唆された。さらに、喘息病態の性差形成機序には複数回のアレルゲン曝露を契機とした気道上皮基底幹細胞によるIL-33産生量の性差が関与している可能性が明らかとなった。
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