研究課題
若手研究
本研究は、(1) NoVs増殖に必須なSG promoterを応用したNoVs持続的産生株の樹立と (2) HIVとNoVsのプロテアーゼの共通点に着目した抗NoVs剤のスクリーニング系の構築を行い、抗NoVs剤開発の基盤構築を目指す。更に、構築した実験系を応用しNoVsのpolymerase阻害剤やprotein-priming阻害剤などの開発を試みる。これまでほとんど手付かずだったNoVsの基礎及び創薬研究にchemical biology の側面から学理的にアプローチし、申請者の掲げる学際的な研究テーマである「ウイルス横断的な創薬研究」の基盤構築に貢献する。
本研究では、ノロウイルス (NoV) をモデルとした「ウイルス横断的な創薬研究」の基盤構築を目的とした。NoVのORF1にコードされている、p22, VPg, Proおよび RdRpをコードしたDNAをクローニングした。新型コロナウイルス (SARS-CoV-2) パンデミック下における社会的な必要性、緊急性を考慮し、NoVとSARS-CoV-2の共通点に着目した創薬研究を実施、国立国際医療研究センターの満屋裕明等が開発した新規化合物とSARS-CoV-2プロテアーゼの結晶構造解析により相互作用様式を明らかにした (Hattori S. et al. Nat Commun. 2021) 。
ヒト-ヒト間で高い感染性を獲得したウイルスの台頭は、世界的パンデミックを引き起こし、人類の生命だけでなく、経済、社会、文化にまで影響を及ぼすパンデミックとなる。ウイルス間の共通項や差異に着目した「ウイルス横断的な創薬研究」の基盤構築は、現在進行形で起こっているパンデミックや、将来起こり得る新興再興感染症のアウトブレイクの予防や早期鎮圧に必要不可欠な治療薬を迅速に開発するための研究基盤構築に資する。本研究で行った結晶構造解析の成果は、レムデシビル以上の抗ウイルス活性を持つ新規SARS-CoV-2治療薬だけでなく抗NoV薬の開発を加速する重要な成果である。
すべて 2021 2020 2019
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 7件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (2件)
Nature Communications
巻: 12 号: 1 ページ: 668-668
10.1038/s41467-021-20900-6
PLOS ONE
巻: 15 号: 12 ページ: e0231064-e0231064
10.1371/journal.pone.0231064
Scientific Reports
巻: 10 号: 1 ページ: 10664-10675
10.1038/s41598-020-65993-z
Antiviral Chemistry and Chemotherapy
巻: 28 ページ: 1-5
10.1177/2040206620921319
巻: 11 号: 1 ページ: 1830-1830
10.1038/s41467-020-15664-4
ACS Infectious Diseases
巻: 1 号: 6 ページ: 1-1
10.1021/acsinfecdis.9b00305
Cancer Science
巻: 110 号: 10 ページ: 3275-3287
10.1111/cas.14154
Antimicrobial Agents and Chemotherapy.
巻: 63 号: 8 ページ: 1-1
10.1128/aac.00372-19
巻: 63 号: 7 ページ: 1-1
10.1128/aac.00466-19
Antimicrobial Agents and Chemotherapy
巻: 63 号: 6 ページ: 1-1
10.1128/aac.02635-18