研究課題/領域番号 |
19K17927
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
|
研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
植村 麻希子 香川大学, 医学部, 助教 (00710188)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 体内時計 / 概日リズム / 時計遺伝子 / 日内変動 / がん化学療法 / 菌血症 / 好中球減少 / 発熱性好中球減少症 / がん化学療法患者 / メラトニン受容体刺激 |
研究開始時の研究の概要 |
多くの全身性疾患において体内時計である概日リズムの障害が関与していることが明らかになりつつある。感染症の分野においては、以前から感染症発症時刻と死亡の関連が議論されて来たが、それを臨床的に証明した報告はない。そこで申請者はがん化学療法中の患者において概日リズムの有無を確認し、障害された概日リズムを是正することで菌血症の予後が改善するかを検証する。本研究の仮説検証過程は以下の通りである。 (1) がん化学療法患者における概日リズム障害を時計遺伝子の定量により評価する。 (2) 概日リズムの是正が可能かどうか確認する。 (3) 概日リズムの是正が菌血症の発症と予後に影響するかどうか評価する。
|
研究成果の概要 |
本研究は、がん化学療法中の患者での概日リズムの障害を是正し菌血症の発症を抑制することを目的とした。まず最初の検討では、化学療法患者において菌血症を来した症例を網羅的に解析し、口腔内常在菌と菌血症とに細菌学的な関連があることを見出した。化学療法中の患者で起こる菌血症の約半分の症例(46.2%)は口腔内細菌由来であることが分かった。また化学療法中の発熱患者において好中球減少の程度とその後の発熱エピソードの関連を、好中球減少度尺度を用いて予測するモデルを作成しそれを確立した。菌血症の発症時間とその後の臨床経過には明確な関連がみられず、概日リズムと菌血症の関連も明らかにはならなかった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究において、概日リズムと菌血症の予後の関連は明確とはならなかったが、臨床管理上の理由を除いても、夜間の発症と日中の発症とでは菌血症の生物学的および免疫学的反応性が異なるではないかということが推察された。明確な関連性や影響する要因を抽出するにはさらなる臨床経過の観察および臨床感染症の観点から免疫学的評価およびモニタリングが必要であると考えられた。
|