研究課題/領域番号 |
19K17938
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
山口 哲央 東邦大学, 医学部, 講師 (10408239)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | MRSA / CA-MRSA / biofilm / plasma-biofilm / bloodstream infection / 凝固因子 / 血漿凝集素 / plasma-BF / 血流感染症 |
研究開始時の研究の概要 |
MRSAによる血流感染症ではバイオフィルム(BF)が難治化に影響していると考えられているが、血漿を添加した培地を用いると、MRSA-BFが厚みを増し、起伏に富んだ構造(plasma-BF)を呈する。我々はCA-MRSAにおいて、このplasma-BFの形成能が高いことをこれまでに明らかにしている。本研究ではCA-MRSAと院内感染型MRSA(HA-MRSA)が形成するplasma-BFの構造・機能解析を行い、保有する接着因子・病原因子との相関を比較検討することで、CA-MRSA血流感染症の重症化メカニズムの解明を試みる。
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研究成果の概要 |
MRSAによる血流感染症は時に難治性感染症となるが、その病態には、MRSAが作りだすbiofilm(BF)が影響していると考えられている。血漿を添加した培地を用いてMRSAを培養すると、通常の培地の場合と比べ、BFは厚みを増し、起伏に富んだ構造(plasma-BF)を呈する。本研究ではMRSAが形成するplasma-BFの構造・機能解析を行い、保有する接着因子・病原因子との相関を比較検討した。SCCmec typeIIと比べ、typeIVの方がplasma-BF形成能が高く、arcA、cna、もしくはfnbBを保有している株がよりplasma-BF形成能が高かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MRSAによる血流感染症は治療抵抗性を示し難治化することも少なくない重篤な疾患である。特に近年では健常人に感染し病原性が高いと考えられている市中感染型MRSA (CA-MRSA)による血流感染症が増加しており、新たな対策が必要になってきている。本研究により、血流内におけるMRSAの動向が明らかとなり、血管内におけるMRSA-biofilm形成に関わる因子が明らかになりつつある。さらに研究を進めることで、MRSA血流感染症における新たな治療戦略の創出につながると考えられる。
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