研究課題/領域番号 |
19K17941
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54030:感染症内科学関連
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 亮太 藤田医科大学, 医学部, 講師 (50813359)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 耐性菌 / ホスホマイシン / カルバペネム耐性腸内細菌目細菌 / カルバペネマーゼ産生腸内細菌科細菌 / カルバペネム耐性腸内細菌化細菌 / カルバペネム耐性腸内細菌科細菌 / 薬剤耐性菌 |
研究開始時の研究の概要 |
世界的にカルバペネム耐性菌(CPE)の出現、伝播が問題となっているが、新たな抗菌薬開発は年々減少している。この耐性菌治療薬の一つとして、その他の抗菌薬の作用機序と異なるホスホマイシン(FOM)が注目されている。申請者らはCPEの代表的な菌種であるK. pneumoniae やE. cloacae の大部分でFOMを分解するfosAを保有していることを明らかにした。しかし、これらの菌種においてそのほかのFOM耐性機構については明らかにされていない。本研究では、カルバペネム耐性のK. pneumoniae とE. cloacae の臨床分離株を用いて、FOM耐性機構を包括的に明らかにする。
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研究成果の概要 |
カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌77株(Enterobacter cloacae complex48株、Klebsiella pnuemoniae 29株)におけるホスホマイシン耐性機序の解析を行った。全ゲノム解析やリアルタイムPCRを行い、ホスホマイシン耐性株では全株fosA遺伝子を保有しており、蛋白発現量からも、FosAという酵素がホスホマイシン耐性に大きく寄与していることを明らかにした。 また、抗菌薬曝露によりホスホマイシン耐性化が進む株が存在し、その要因が微生物内へ抗菌薬を取り込む輸送系の機能低下が関与していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カルバペネマーゼ産生腸内細菌目細菌(Carbapenemase-producing Enterobacteriaceae,CPE)などの耐性菌の広がりが世界的に問題となっている。ホスホマイシンは1969年に発見された古くから使用されている抗菌薬である。過去に我々は、ホスホマイシンの耐性に関わるfosA遺伝子を阻害することで、これらの耐性菌にもホスホマイシンが有効となる可能性を示した。本研究で主要な耐性菌におけるホスホマイシン耐性機序が明らかとなり、今後fosA阻害剤の開発などの新薬創薬へつながることが期待される。
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