研究課題/領域番号 |
19K17963
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
高井 智子 神戸大学, 医学研究科, 学術研究員 (90823047)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 2型糖尿病 / 小胞体ストレス / CK2 |
研究開始時の研究の概要 |
2型糖尿病において、膵β細胞ではインスリン合成の負荷により小胞体ストレスが強く、膵β細胞量は減少している。CK2は小胞体ストレスに対して保護作用を持つことが以前より報告されていたが、詳しい機序は不明である。今回の研究では、膵β細胞でCK2を活性化することにより小胞体ストレスに耐性となることを見出し、その機序について検討している。また、CK2活性化により膵β細胞量の維持、耐糖能の改善につながると考えられる。
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研究成果の概要 |
2型糖尿病の進展に小胞体ストレス(ER stress)による膵β細胞量減少は重要である。Casein kinase 2 (CK2)はER stress下で、抗アポトーシス作用を持つことが報告されており、CK2の膵β細胞で役割の解明を目的とした。 MIN6細胞は、ER stress 下でのK2βノックダウンにより、unfolded protein response(UPR)は亢進した。MIN6細胞にCK2βの強制発現 を行うと、CK2活性化、EDEM,GRP78が増加し、UPRは減少した。以上よりCK2はMin6細胞でERADを亢進し小胞体ストレスを軽減し、2型糖尿病の治療に役立つと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
2型糖尿病の人口は増加傾向であり、日本での有病率は20歳以上で9%、高齢者ではさらに上昇する。 高血糖や肥満によるインスリン合成の負荷は小胞体ストレスを引き起こし、膵β細胞量の減少の原因となる。これまでには、糖尿病モデルマウスにおいてCHOP、C/EBPβの欠損、分子シャペロンの投与などにより小胞体ストレスを改善させ耐糖能の改善がみられている。 今回もCK2活性化により小胞体ストレス軽減がみられ、2型糖尿病の治療に役立つと考えられた。また、小胞体ストレスは2型糖尿病だけでなく、肥満、神経変性疾患など多数の疾患との関連が示唆されており、他分野にも原因の解明に役立つと考えられた。
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