研究課題/領域番号 |
19K17989
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
小野 薫 熊本大学, 病院, 特任助教 (80836403)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | microRNA / インスリンシグナル / 糖尿病 / 肥満 |
研究開始時の研究の概要 |
microRNA は、遺伝子の転写後調節を行う重要な調節因子であり、発生、細胞増殖・分化、アポトーシス等の広範な生物学的プロセスに関わっている。肝臓においてインスリン作用伝達及びインスリン抵抗性を制御するmiRNA としてmiR-222 が同定されたが、同じくインスリン標的臓器である脂肪組織におけるmiR-222 の役割は不明である。miR-222 遺伝子改変マウス、培養細胞を用いて実験を行い、脂肪組織におけるmiR-222 とインスリンシグナル経路との関係を解明し、2 型糖尿病の発症機序の一部として脂肪組織におけるmiRNA の関与を明らかにし、インスリン抵抗性の発生機序を明らかにする。
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研究成果の概要 |
脂肪組織において miR-222の増加がインスリン作用伝達を制御し、インスリン抵抗性を増大させるという仮説をのもと、実験を進めた。1)マウス由来前駆脂肪細胞である 3T3-L1細胞にmiR-222過剰発現すると、インスリン作用に関連するIRS-1タンパク、IRS-1のリン酸化、Aktリン酸化が減弱。2)miR-222を抑制すると、Aktリン酸化は回復した。3)直接作用によるものかに関しては、miR-222とIrs-1 mRNAの結合をルシフェラーゼアッセイにて確認した。以上から脂肪組織において、miR-222の増加はインスリンシグナルを負に制御し、インスリン抵抗性を増大させる可能性がある。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、糖尿病の主因であるインスリン分泌障害、インスリン抵抗性にmiRNAが関与するという報告がなされるようになり、これまで知られていなかった糖尿病の発症メカニズムの理解につながることが期待される。また治療ターゲットとしても、miRNAの役割、機能が明らかになれば、糖尿病の発症予防や新規の治療法開発、新規バイオマーカーの開発につながる可能性がある。 今回、脂肪細胞においてmiR-222がIRS-1タンパク発現を介してインスリンシグナルを傷害することを証明した。これらの知見は、肥満・糖尿病において脂肪組織のインスリン作用が減弱することを説明するメカニズムの1つである可能性がある。
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