研究課題/領域番号 |
19K18005
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分54040:代謝および内分泌学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
杉山 摩利子 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (70823540)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | PTP1B / AgRP / POMC / レプチン / インスリン |
研究開始時の研究の概要 |
視床下部は糖およびエネルギー代謝調節を担う重要な器官である。脂肪細胞および膵臓から分泌されるレプチン、インスリンは視床下部の弓状核に存在するPOMCニューロンおよびAgRPニューロンに直接作用し血糖降下、体重減少作用を発揮する。PTP1Bはレプチンおよびインスリン受容体シグナルを阻害する蛋白であり全身性、脳特異的もしくはPOMCニューロン特異的にPTP1Bを欠損させると高脂肪食投与に対して肥満抵抗性を来し糖代謝は改善する。一方、AgRPニューロンにおけるPTP1Bの役割は未だ明らかではないため本研究ではAgRPニューロンにおけるPTP1Bが糖およびエネルギー代謝調節に与える影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
1型糖尿病モデル(IDDM)マウスにおいてレプチンによる血糖降下作用の機序解明の目的で、AgRPもしくはPOMCニューロン特異的にProtein Tyrosine Phosphatase 1Bを欠損させたマウスを作成し、ストレプトゾトシンを腹腔内投与してIDDMマウスを作成後、レプチンを末梢投与して糖代謝に与える影響を検討した。AgRP KOマウスではレプチンによる血糖降下作用は野生型と比較してわずかに認められたのみであったが、POMC KOマウスにおいては血糖降下作用が野生型と比較して有意であることが確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗PTP1B薬はインスリン、レプチンシグナルを改善する薬剤として糖尿病治療薬として臨床治験中である。本研究ではIDDMモデルマウスにおいて、中枢において糖代謝を司るPOMCおよびAgRPニューロン特異的にPTP1Bを欠損させたモデルマウスを用いて糖代謝を評価した。本研究の結果は抗PTP1B薬の作用機序の解明に寄与し、また治療選択肢の乏しいIDDM患者において新たな治療戦略の提示につながり社会的な貢献は大きい。
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