研究課題/領域番号 |
19K18019
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
藤尾 淳 東北大学, 大学病院, 助教 (50723954)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 肝細胞移植 / 灌流 / 心停止 / モデル作成 / 肝細胞分離 / 至適酵素の調整 / 心停止グラフト |
研究開始時の研究の概要 |
肝細胞移植は、簡便、低侵襲といった利点がある一方、細胞のviabilityが低く、細胞ソースが不足しているなど克服すべき課題も多い。 我々は以前より心停止肝グラフトの冷保存前にPGE1含有灌流液で臓器を灌流させることで肝臓のviabilityが改善し、移植の生着率が上昇することを報告してきた。これら一連の成果をもとに心停止肝グラフトから独自開発したリコンビナントコラゲナーゼによる細胞分離を行い、小動物細胞移植モデルにおいて細胞のviability、生着の改善が認められることを検証する。
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研究成果の概要 |
我々は阻血再灌流障害のため臓器移植に使用できず破棄される心停止肝グラフトに対して、短時間の酸素化バッファーの室温灌流を行うことで肝細胞移植に利用することが可能か検討した。 まず心拍出下と心停止30分後のグラフトをそれぞれ肝細胞分離を行い、収量と機能の検査を行った。心停止肝細胞は収量が少なく、機能検査でも心停止グラフトと比較して低下することがわかった。次に心停止肝グラフトに30分間の灌流を行いその後に細胞分離を行った。収量が心停止より有意差をもって改善し、機能も改善することが明らかになった。 心停止肝グラフトに室温酸素化灌流することで肝細胞移植に利用可能と思われた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝細胞移植は、肝細胞の機能の一部が欠損した肝臓内に、酵素により肝細胞を分離させカテーテルを使用して血管内から投与し、細胞を肝臓内に生着させ、欠損した肝機能を補完する治療法であり、肝臓移植と比較して安全・簡便・低侵襲といった利点がある。また、一つの肝臓から大量の肝細胞を分離する状態ことが可能であり、一度に多数の患者の治療を行うことが可能であるが、問題点としてはよい肝臓の提供が圧倒的に不足しているということである。 今回の結果からは従来破棄されていた阻血灌流障害をへた心停止ドナーグラフトが使用することが可能であり、新たな細胞リソースを供給できるという意味で大変意義深いものと考える。
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