研究課題/領域番号 |
19K18026
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大片 祐一 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (40597217)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 早産児 / 腹膜炎 / 動物モデル / 外科侵襲 / 免疫抑制 / 早産児腹膜炎 / 早産児敗血症マウスモデル / 新生仔マウス / 外科侵襲モデル / インターロイキン / 腹腔マクロファージ / 早産時 / 早産時敗血症マウスモデル / 免疫 / 早産時腹膜炎 / マウスモデル / 糞便懸濁液 |
研究開始時の研究の概要 |
先進国のみならず発展途上国においても早産児・低出生体重児の割合が増加している。消化管穿孔などにより引き起こされる早産児腹膜炎の予後は極めて不良で、この病態の解明と新規治療戦略の開発は喫緊の課題である。早産児では外科侵襲後の創感染や2次感染を引き起こすことが多いが、早産児および早産児腹膜炎における免疫応答は十分に解明されていない。本研究の目的は、糞便懸濁液(Cecal Slurry, CS)を用いて早産児消化管穿孔を想定した早産児腹膜炎における外科侵襲モデルを作成し、①外科侵襲による生命予後への影響と免疫応答を解明すること、②その結果をもとに新たな周術期免疫賦活化療法を試みることである。
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研究成果の概要 |
本研究では免疫学的に早産児相当である日齢4のマウスに対して糞便懸濁液を腹腔内投与することで早産児腹膜炎モデルマウスを作成し、早産児腹膜炎の外科侵襲に伴う免疫応答の解明を目指した。同モデルマウスに対して開腹手術を行ったところ、開腹手術の侵襲に伴う死亡率の上昇を確認した。原因として術後急性期の抗炎症性サイトカイン(IL-10)に対する炎症性サイトカイン(IL-6、MCP-1)有意の上昇が考えられた。一方で開腹手術の侵襲にも関わらず、IL-12やTNFの炎症性サイトカインは低値のままであり、早産児に特有の免疫抑制状態が関与していることが推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
新生児医療の発展にも関わらず早産児における消化管穿孔は細菌性腹膜炎を合併し致死的になることが知られている。抗菌薬投与などの内科的集中治療管理に加えて、標準的な治療として開腹手術が行われるが、早産児における開腹手術の侵襲の影響は明らかにされていなかった。本研究では早産児腹膜炎モデルマウスを使用することで早産児における開腹手術の死亡率に関わる影響が大きいことを動物モデルで初めて確認した。一方で、早産児に特有の免疫抑制状態が死亡率上昇に関与することも明らかになった。早産児特有の抑制された免疫を賦活化させることで早産児腹膜炎の死亡率の改善に寄与する新規治療法に繋がる可能性があることを明らかにした。
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