研究課題/領域番号 |
19K18037
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
浅野 倫子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (70624427)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 乳癌 / APOBEC3F / 乳癌 APOBEC3F / 薬剤抵抗性 / APOBEC |
研究開始時の研究の概要 |
ゲノム変異を誘導するAPOBEC3F遺伝子が、チューブリン遺伝子およびTEKT4遺伝子の体細胞変異を引き起こすことが、タキサン系薬剤抵抗性の原因となる可能性に着目し、APOBEC3Fを治療標的とした新規治療薬の開発を目的とし、以下の検討を行う。①乳がん臨床検体を用いてAPOBEC3FのmRAN発現、蛋白発現の検討、チューブリン遺伝子スーパーファミリーとTEKT4 遺伝子の体細胞変異解析。②乳がん細胞株を用いてAPOBEC3F遺伝子強制発現の影響について検討。③APOBEC3F遺伝子強制発現乳がん細胞株とコントロールの親株をヌードマウスに植え付け、タキサン系薬剤の効果を比較検討する。
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研究実績の概要 |
乳がんのなかには、キードラッグであるタキサン系薬剤に抵抗性を示すものがあり、その抵抗性の克服が臨床的課題となっている。私たちはこれまでの研究で、ゲノム変異を誘導するAPOBEC3F遺伝子がタキサン系薬剤抵抗性に関与していることを見出した。 APOBEC3Fに関してこれまでに行った実験として、TaqMan RT-PCRシステムを用いて、約500例の乳がん症例のうち、術後化学療法としてタキサン系薬剤を使用した124例を対象に、乳がん凍結標本からRNAを抽出し、APOBEC3FのmRNA発現と臨床病理学的因子および予後を検討。結果、APOBEC3F高発現は極めて予後不良であった。また、腫瘍径、腋窩リンパ節転移の有無、核異型度、ER、PgR、HER2、化学療法の有無、APOBEC3F mRNAの発現を無再発生存期間、全生存期間について単変量、多変量解析を行った結果、無再発生存率のCox比例ハザードモデルで、核異型度やER、PgRと同様にAPOBEC3F発現量は単変量で有意な予後因子となったが、多変量解析ではAPOBEC3Fは有意な予後因子とはならなかった。また、症例数を約600例に増やし予後解析すると、APOBEC3F高発現は予後不良な傾向にあったが、統計学的な有意差はなかった。蛋白発現についても同様であった。 乳がん細胞株を用いてAPOBEC3FのmRNA発現をTaqMan RT-PCRにて測定したところ、乳がん細胞株のうち、MCF7よりT47Dに高発現であることを確認した。このT47Dを用いてAPOBEC3F発現をsiRNAにてノックダウンさせ、WST-1アッセイにて細胞増殖能の変化を確認した。Negative controlと比較して、siRNAの濃度を高濃度にするほど細胞増殖能が低下した。 また、細胞増殖能の指標となるCCND1やMKI67との相関も確認したところ、CCDN1とは相関はなかったが、MKI67とは相関関係を認めた。 以上より、APOBEC3Fは高発現だと予後が悪いことが示唆された。
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