研究課題/領域番号 |
19K18057
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
野田 美和 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (30838123)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
|
キーワード | 日本人乳癌 / 多領域検体解析 / 全エキソームシークエンス / ゲノム進化 / 人種差 / 分子遺伝学的特徴 / ゲノム進化解析 |
研究開始時の研究の概要 |
乳癌は疫学的特徴や治療成績等において人種差があることが報告されているが、欧米人乳癌との比較というアプローチで日本人乳癌の分子遺伝学的特徴を網羅的に調べた報告は少ない。本研究では、術前治療未施行乳癌10症例の原発巣から多領域採取検体の全エキソンシーケンスを行い、進化解析を行い、【1】日本人乳癌のゲノム進化論的特徴を示し日本人乳癌の大規模解析で見られた変異遺伝子がどの階層で進化に寄与しているか明らかにする。また、【2】既報告の欧米人乳癌の多領域検体解析結果と比較し日本人乳癌の進化様式の特徴を明らかにする。以上より人種差を勘案した進化論に基づいた日本人乳癌の新たな治療ストラテジーを構築する。
|
研究成果の概要 |
日本人乳癌の分子遺伝学的特徴、ゲノム進化論的特徴の解明を目的として術前治療未施行、根治手術施行の日本人浸潤性乳管癌10例の検体に対して、全エキソームシークエンス(WES)を施行した。WESの結果をもとに、①遺伝子変異解析、②変異シグネチャー解析、③染色体・遺伝子レベルのコピー数解析を施行した。公共データベース上の欧米人乳癌940例の解析データと比較し、日本人乳癌特有の可能性がある遺伝子変異、変異シグネチャーを特定した。今後はさらに症例を集積し、日本人乳癌と欧米人乳癌を解析・比較し、日本人乳癌の分子遺伝学的特徴を見出し、治療標的候補となる遺伝子を選出し、機能解析を施行したいと考えている。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本人乳癌10例の全エキソームシークエンスを施行後、統合解析を行い、公共データベースの欧米人乳癌の解析データと比較することで、日本人乳癌の分子遺伝学的特徴が明らかになってきた。今後、静岡がんセンターより公表された日本版がんゲノムアトラス(Cancer Science, 2019)の乳癌データを含め、症例数を増やし解析することで、さらに詳細に日本人乳癌の分子遺伝学的特徴が明らかになると考える。その結果が、人種差による乳癌治療薬の反応性・耐性機序解明の端緒になり、今後の日本人乳癌治療の発展につながると期待される。
|