研究課題/領域番号 |
19K18059
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
吉井 大貴 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 学術研究員 (00792582)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | SOX9 / 細胆管反応 / 肝傷害 / 胆管発生 / Sox9ノックアウトマウス / Sox9コンディショナルノックアウトマウス / 障害肝 / 胆汁うっ滞 / 線維化 / ノックアウトマウス / SOX9ノックアウトマウス / 胆道閉鎖症 / 抗SOX9治療 |
研究開始時の研究の概要 |
胆道閉鎖症(BA)をはじめとした様々な肝疾患の病態には細胆管反応(DR)が関与している。DRは原因未解明なBAの病態や肝障害(線維化)の進行に関わっているが、DRのメカニズム自体の解明も不十分である。胆管発生に重要な遺伝子のひとつにSOX9がある。本課題は、SOX9ノックアウトマウスを用いて胆管発生や肝障害時のSOX9の重要性を解析したり、ヒト肝疾患でみられるDRとSOX9の関連を調べた上で、SOX9をターゲットとしたDRの進展抑制による肝障害(線維化)の治療が有用かどうかを評価し、肝疾患に対する新たな治療戦略の構築へとつなげることを目的としている。
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研究成果の概要 |
本課題では、胆道閉鎖症をはじめとした慢性肝疾患にみられる細胆管反応(ductular reaction, DR)のメカニズムの解明により、肝疾患に対する新たな治療戦略の基盤構築を目的としている。 DRのメカニズムを解明するにあたり、胆管の発生や形態形成におけるSOX9の機能的役割について解析を行った。胎生期中は、Sox9コンディショナルノックアウト(cKO)マウスの胆管の形態形成に大きな変化は見いだせなかった。一方、Sox9cKO成体マウスでは、門脈領域に明らかな胆管表現型の違いが認められた。次に、胆管の形態形成の評価のために、肝臓の透明化を行い胆管の可視化を行い成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今までの我々の研究成果により、SOX9が肝傷害時のDRの進展に寄与している可能性が明らかとなってきている。本研究ではさらに、今まで報告されてきた研究では重要視されていない、胆管発生や形態形成にも関与している可能性があることが分かった。これは、胆管発生のメカニズムを考える上で新たな知見となる重要な結果である。また、胆管の形態形成を視覚化する新たな方法が確立できた。DRの進展メカニズムを考える上で胆管発生のメカニズムは知っておくべきことであり、これらの結果は、DRを伴う慢性肝疾患において、病態の進行を抑制するため、SOX9やその上流シグナル経路をターゲットとした治療の基盤となる結果である。
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