研究課題/領域番号 |
19K18072
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55010:外科学一般および小児外科学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
星 玲奈 日本大学, 医学部, 助手 (20793772)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 神経芽腫 / DFAT / Exosome / exosome / 脱分化脂肪細胞 / 分化誘導療法 |
研究開始時の研究の概要 |
神経芽腫は、小児悪性固形腫瘍の中で脳腫瘍を除き、最も高頻度に認められる。高リスク群の神経芽腫は集学的治療を行っても、予後不良である。近年、間葉系幹細胞(MSC)を用いた分化誘導療法の報告がされている。当施設においてもMSCに似た性質を持ち、MSCと比べ細胞調整が容易で均一な細胞が得られる成熟脂肪細胞由来の脱分化脂肪細胞(DFAT)を用いて神経芽腫細胞に対する分化誘導効果を確認した。しかし、DFATは細胞が大きく、細胞治療においては弊害がある。そこで、本研究ではDFATから放出される細胞外小胞(exsosome)による神経芽腫の分化誘導効果を検討し、神経芽腫に対する新規分化誘導療法を確立する。
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研究成果の概要 |
神経芽腫細胞に脱分化脂肪細胞(DFAT)由来のエクソソームを加えて培養することで腫瘍細胞の増殖抑制効果を得ることはできなかったが、腫瘍細胞の分化を誘導することができた。これは以前から示されているDFATそのものの分化誘導効果と矛盾しない。DFATは細胞治療として用いるには解決しなければならない問題があるが、DFAT由来のエクソソームを分化誘導療法に用いることの可能性を確認できたことで、今後予後不良な高リスクの神経芽腫の新規治療法につながる可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ヒトDFATから放出されたエクソソームが神経芽腫の分化誘導効果を持つことが示された。神経芽腫は小児悪性固形腫瘍の中で脳腫瘍を除き、最も高頻度に認められ、高リスク群の神経芽腫は未だ予後不良である。今後、既存の神経芽腫に対する分化誘導療法である、13-cis RA(レチノイン酸)による分化誘導療法に、ヒトDFAT由来エクソソームを併用することで、分化誘導効果を向上させることが期待される。
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