研究課題/領域番号 |
19K18091
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
堀岡 宏平 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (10783699)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 大腸癌 / 白金製剤 / 治療抵抗性 / oxaliplatin / 銅輸送体 / 蛍光X線分析 / SPring-8 / Spring-8 / 薬剤抵抗性 |
研究開始時の研究の概要 |
Oxaliplatinは第三世代白金錯体系抗腫瘍薬であり、大腸癌治療における主要薬剤の一つであるが、十分な奏効率は得られておらず、薬剤耐性が問題となる。白金製剤の治療抵抗性には銅輸送体が関与しているとの報告が散見されるが、その機序に関しては不明であり、有効性と安全性の高い化学療法を実現するためにも、白金製剤の抵抗性機序の解明が望まれている。そこで、本研究では、蛍光X線分析という工学的アプローチを用いて、oxaliplatinを投与した大腸癌の腫瘍組織中の銅の局所かつ微量な分布を可視化することで、抗癌剤の腫瘍内動態や銅輸送体の役割を明らかにする。
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研究成果の概要 |
Oxaliplatinは大腸癌治療におけるkey drugだが、薬剤耐性が問題となっている。本研究は、薬剤の腫瘍内動態やその動態において銅輸送体が果たす役割を、蛍光X線分析を用いて解明することで、治療反応性の予測や耐性獲得機序を明らかにすることを目的として開始された。 大型放射光施設;SPring-8を利用し蛍光X線分析を用いて、腫瘍組織内での生体内必須元素の分布の可視化、定量化を行った。腫瘍組織内分布の主成分分析では、銅のみが治療有効例では無効例と比較し分布が異なる傾向を示し、治療効果のあった群では白金と正の相関を、治療反応不良群では白金と負の相関を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、蛍光X線分析という工学的アプローチを用いて、oxaliplatinを投与した大腸癌の腫瘍組織中の銅の局所かつ微量な分布を可視化することで、抗癌剤の腫瘍内動態や銅輸送体の役割を明らかにする手掛かりとなった。 今後も工学及び薬学に携わる研究者とも連携し、臨床情報や抗腫瘍効果との関連を調査することで、oxaliplatinを用いた化学療法に対する個々の治療反応性を予測し、さらには耐性獲得の機序の解明を引き続き試みる。本研究の成果は白金錯体系抗腫瘍薬の治療効果の改善や副作用の軽減につながるものと期待される。
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