研究課題/領域番号 |
19K18118
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分55020:消化器外科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小林 照之 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (70779751)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 食道扁平上皮癌 / PRIMA-1MET / 5-FU / p53 / p73 / NOXA / APR-246 / Noxa / 食道癌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では, 高率にp53遺伝子変異を有する食道扁平上皮癌に対して, 変異p53機能を回復させることで化学療法に対する抵抗性を改善できるか, また併用効果に優れる抗癌剤の同定など作用メカニズムを含めて検証し, 最終的に臨床応用につなげることを目的とする。作用機序に関しては, p53シグナル以外にも, 変異p53が機能回復することでp53とinteractのあるmicroRNAがどう変化するかを網羅的microRNAアレイ解析により行う。さらに臨床サンプルを用いたPDX(Patient derived xenograft)モデルやオルガノイドを用いて検証することを目指す。
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研究成果の概要 |
食道扁平上皮癌におけるTP53遺伝子変異率は9割以上といわれ、化学療法の耐性に関与する。p53ミスセンス変異株において、PRIMA-1METはいずれの抗癌剤との組み合わせでも相加効果以上の抗腫瘍効果を示し、特に5-FUとの併用で相乗効果を示した。この併用療法でApoptosisが強く誘導され、p53およびp73、NOXAの発現増強を認めた。p53ミスセンス変異株(TE8)を用いた皮下腫瘍モデルマウスやヒト由来の細胞を使用したPDXモデルマウスでも、5-FU+ PRIMA-1MET併用群では各単剤投与よりも明らかに抗腫瘍効果が強く、治療後の腫瘍組織でp73・NOXA発現の増強を認めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食道扁平上皮癌におけるTP53遺伝子変異率は9割以上といわれ、化学(放射線)療法の耐性や予後に関与する。PRIMA-1METは、2002年に小分子化合物スクリーニングで同定されとくにp53ミスセンス変異の転写能を回復するとされるが、食道扁平上皮癌する治療効果、メカニズムの一端、化学療法との併用効果が明らかとなった。今後、食道扁平上皮癌に対して、個別医療・オーダーメード医療を改良するにあたって、治療選択肢の一助を担う有意義な成果であると考えられる。
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